正解:エ
各選択肢の解説
ア自己伝染、潜伏、発病の三つの機能をすべて持つ。
誤り。三つそろって初めてウイルスだと考えがちですが、基準はすべてを 求めていません。たとえば発病機能がなく広がるだけのものでも、他の システムへ伝染していく以上、被害を及ぼすものとして対策の対象にします。
イ他のプログラムに寄生し、単独では動作しない。
誤り。これは狭い意味のウイルスを、単独で動くワームと区別するときの 説明です。基準の自己伝染機能は、自らを他のプログラムやシステムに複製する 働きを指し、寄生するかどうかは条件にしていません。
ウネットワークを通じて外部の指令サーバと通信する。
誤り。これはボットのように外部から遠隔操作される不正プログラムの特徴です。 この基準は通信の有無ではなく、伝染・潜伏・発病という働きで定義しており、 外部との通信はウイルスとみなす条件に含まれていません。
エ自己伝染、潜伏、発病のうち一つ以上の機能を持つ。
正解。基準は、他へ広がる自己伝染、条件がそろうまで症状を出さない潜伏、 ファイルの破壊などを起こす発病の三つを挙げ、一つ以上あればウイルスとします。
理解を深めるために
三つの機能の「どれか一つ」でウイルス
コンピュータウイルス対策基準は、経済産業省(当時の通商産業省)が告示として 定めた基準です。ウイルスを「第三者のプログラムやデータベースに意図的に被害を 及ぼすように作られたプログラム」とし、次の三つの機能の一つ以上を持つもの と定義しています。
| 機能 | 中身 |
|---|---|
| 自己伝染機能 | 自らを他のプログラムやシステムにコピーして広がる |
| 潜伏機能 | 特定の日時や処理回数などの条件がそろうまで症状を出さない |
| 発病機能 | ファイルを壊す、設計者の意図しない動作をするなど |
なぜ「一つ以上」なのか
広がるだけのもの、時限爆弾のように潜むだけのものでも、放っておけば被害に つながります。三つそろうまで待っていては対策が後手に回るので、 どれか一つでも持てば対策の対象にする、という広めの線引きになっています。 この基準は、利用者、管理者、ソフトウェアの供給者などの立場ごとに、 予防・発見・駆除・復旧の対策を示しています。
混同しやすいものとの違い
| 考え方 | 何で見分けるか |
|---|---|
| 対策基準のウイルスの定義 | 伝染・潜伏・発病のうち一つ以上 |
| 狭い意味のウイルス | 他のプログラムに寄生する |
| ワーム | 単独で動き、自らを複製して広がる |
| ボット | 外部の指令サーバから遠隔操作される |
試験では「すべて持つ」と「一つ以上持つ」の取り違えを誘う形がよく見られます。 三つの機能の名前と「一つ以上」をセットで覚えておきましょう。