情報セキュリティ対策技術的セキュリティ対策★★★

ある社内システムのログインは、パスワードを入力した後、あらかじめ登録した 「秘密の質問」に答える2段階の手順になっている。この手順を多要素認証にするための 変更として、最も適切なものはどれか。

正解:

  1. 秘密の質問を、他人に推測されにくい内容のものに差し替える。

    誤り。質問の強度は上がりますが、利用者が覚えている情報を答える点は変わりません。 パスワードと同じ「記憶」の要素のままなので、要素の種類は増えません。

  2. パスワードの最低文字数を増やし、使用する文字種の条件を厳しくする。

    誤り。パスワード単体の破られにくさを高める対策です。有効ではありますが、 確認する要素は「記憶」1種類のままで、多要素認証にはなりません。

  3. 秘密の質問の後に、別に決めた合言葉を入力する段階を追加する。

    誤り。段階が3つに増えるだけで、いずれも記憶している情報の確認です。 段階数と要素の種類は別物で、これは多段階認証を延ばしたにすぎません。

  4. 秘密の質問に代えて、利用者本人のスマートフォンに届く確認コードの入力を求める。

    正解。端末を持っていないと入力できないため「所有」の要素が加わります。 記憶(パスワード)と所有の2種類を組み合わせるので多要素認証になります。

「何回聞くか」ではなく「何の種類を聞くか」

多要素認証で数えるのは、確認の回数ではなく種類です。 本人確認に使える情報は、次の3種類に分けられます。

要素 中身
記憶 本人だけが知っていること パスワード、PINコード、秘密の質問
所有 本人だけが持っている物 ICカード、スマートフォン、ワンタイムパスワードの生成器
生体 本人の身体や動作の特徴 指紋、顔、静脈、虹彩

このうち種類の違う2つ以上を組み合わせたものが多要素認証です。

パスワード+秘密の質問は、多段階だが多要素ではない

問題の手順は、確認を2段階に分ける多段階認証です。 しかし2段階とも「記憶」なので、要素としては1種類しかありません。

この違いが効くのは、攻撃を受けたときです。 どこかから漏れた情報や、盗み見でパスワードが知られる状況では、 同じ「記憶」に属する秘密の質問も一緒に破られる可能性があります。 手元の端末という別の種類を挟むと、知識だけでは突破できなくなります。

用語の整理

  • 多要素認証:記憶・所有・生体のうち、異なる種類を組み合わせる
  • 多段階認証:確認を複数の段階に分ける。同じ種類を2回使うこともある
  • 多要素認証は多くの場合、結果として多段階にもなる。逆は必ずしも成り立たない

試験では「これは多要素認証か」を判定させる形で問われます。 段階の数を数えるのではなく、各段階が3種類のどれに当たるかを分類するのが確実です。

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