DDoS攻撃の説明として、最も適切なものはどれか。
正解:エ
ア1台のコンピュータから標的のサーバへ大量の要求を送り続け、応答できなくする。
誤り。これはDoS攻撃の説明です。サービスを止める狙いは同じですが、 仕掛ける場所が1か所しかないため送り出せる量に限りがあり、送信元をたどって 止めることも比較的容易です。DDoS攻撃との違いは送信元の数にあります。
イ公開しているサーバへ外部から接続を試し、どのサービスが動いているかを調べる。
誤り。これはポートスキャンで、侵入の前に相手の様子を探る下調べにあたります。 標的へ通信を送る点は同じでも、目的は反応を確かめることであり、 サービスを止めるほどの量は送りません。準備の段階と実行の段階の違いです。
ウ設定に不備のあるメールサーバを外部から中継に使い、迷惑メールの送信に用いる。
誤り。これは第三者中継(オープンリレー)です。他人の機器を踏み台にする という言い方が重なるため混同されますが、踏み台の使い道はメールの送信元を 隠すことであって、標的のサービスを止めることではありません。
エ乗っ取った多数の機器から一斉に大量の要求を送らせ、標的のサービスを止める。
正解。DDoS攻撃は、多数の機器に分散させて行うサービス妨害です。 通信が各地から同時に届くため、送信元をたどっても攻撃者本人には届きません。
1人で居座るか、群衆で押し寄せるか
窓口が1つの店を想像します。1人の客が延々と居座って窓口を占領し、 ほかの客が用を足せなくするのがDoS攻撃です。これに対し、号令をかけて 大勢を一斉に押し寄せさせ、店ごと機能を止めるのがDDoS攻撃です。 どちらも「使えなくする」点は同じで、違いはどこから来るかにあります。
なぜ分散させるのか
- 1か所から送れる量には限界があります。多数で分担すれば、標的が受けきれない 量の通信を作り出せます
- 送信元が各地に散らばるため、正規の利用者の通信と見分けにくくなります
- たどり着く送信元は攻撃者ではなく、乗っ取られた機器の持ち主です。 踏み台にされた機器は、マルウェアに感染して外部からの指令どおりに動く状態に 置かれています(ボットと呼ばれます)
DDoSの先頭のDは Distributed(分散した)の頭文字で、DoS攻撃を多数の機器に 分散して行う形にしたもの、と理解しておくと取り違えません。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 何をするか |
|---|---|
| DDoS攻撃 | 多数の機器から一斉に負荷をかけ、サービスを止める |
| DoS攻撃 | 1か所から負荷をかけ、サービスを止める |
| ポートスキャン | 侵入の前に、動いているサービスを外から調べる |
| 第三者中継(オープンリレー) | 他人のメールサーバを迷惑メールの中継に使う |
試験では「多数の機器から」「分散して」「一斉に」という記述があればDDoS攻撃です。 なお、多数の機器で処理を分担するシステム構成(スケールアウト)は性能を高める ための設計であり、攻撃とは無関係です。台数が多いという言葉づらだけで 結び付けないように気をつけます。