Q社では、システムへの問合せを担当部署ごとに受けていたため、利用者が連絡先を 探し回っていた。そこでサービスデスクを設け、問合せをまずここで受けることにした。 この考え方であるSPOCの狙いとして、最も適切なものはどれか。
正解:エ
ア顧客と定期的に会合を持ち、事業の変化や要望を把握して良い関係を保つ。
誤り。これは事業関係管理(顧客関係の維持)の狙いです。顧客の要望や満足度を 継続的に把握する活動で、日々の問合せを誰が受けるかという話ではありません。 相手が顧客の代表者か、個々の利用者かで区別します。
イ問合せの多い内容をFAQとして公開し、利用者が自分で調べて解決できるようにする。
誤り。FAQの公開は問合せ件数を減らす有効な手段ですが、窓口を一つにするという 考え方とは別の施策です。SPOCが決めているのは「どこへ連絡するか」であって、 利用者が自力で解決することを目的にはしていません。
ウシステムごとの担当技術者へ利用者が直接連絡し、窓口での取次ぎをなくす。
誤り。専門の担当者へ直接つなぐと速そうに見えますが、利用者は誰が担当かを 知っている必要があり、対応の記録も担当者ごとにばらばらになります。 これはQ社がやめようとした状態そのものです。
エ問合せの受付先を一つにまとめ、利用者が迷わず連絡でき、記録も集約できるようにする。
正解。SPOC(単一窓口)は、利用者からの連絡先をサービスデスク一つに集約する 考え方です。利用者は窓口を探さずに済み、提供者側も問合せの内容と対応状況を 一か所にまとめて記録できます。
「まずここに言えばよい」を作る
大きな病院に行くと、症状が何であれ最初は総合受付に行きます。利用者が診療科を 自分で選ぶ必要はなく、受付が話を聞いて適切な科へ回してくれるからです。 SPOC(Single Point Of Contact)は、これを情報システムの問合せでやる考え方です。
一つにまとめると何が変わるか
- 利用者は連絡先を調べなくてよい。「分からなければサービスデスク」で済む
- 受付日時、内容、対応状況、解決方法が一か所に記録され、傾向が見えるようになる
- 専門的な内容は窓口から担当部門へ引き継ぐが、利用者から見た窓口は変わらない
- 同じ質問が何件来ているかが分かるので、手引きの改善やシステムの改修につながる
窓口を一つにしても、対応する人が一人という意味ではありません。受付が一つで、 その先の対応は組織全体で分担する、という形になります。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 役割 |
|---|---|
| SPOC | 問合せの受付窓口を一つに集約するという考え方 |
| サービスデスク | その窓口を実際に担う組織・機能 |
| 事業関係管理 | 顧客と関係を保ち、要望や満足度を把握する活動 |
| FAQの公開 | 利用者が自分で解決できるようにする施策 |
サービスデスクとSPOCは対立するものではありません。SPOCという考え方を、 サービスデスクという具体的な仕組みで実現している、という関係です。 試験では「窓口を一本化する」という記述が出たらSPOCと結び付けて考えます。