サービスマネジメントサービスマネジメント★★★

運用サービスを提供するS社は、月間稼働率99.5%以上をSLAで顧客と合意している。 直近3か月の実績は99.0%前後で目標に届いていない。サービスレベル管理として S社が取るべき対応のうち、最も適切なものはどれか。

正解:

  1. 顧客から苦情が出ていないので、実績の測定頻度を下げて運用の手間を減らす。

    誤り。測定はサービスレベル管理の土台で、これをやめると達成状況が分からなく なります。苦情が来ていないことと目標を守れていることは別で、苦情を基準に するとSLAで数値を決めた意味がなくなります。

  2. 達成できる水準になるよう、目標値を実績に合わせて提供者の判断で引き下げる。

    誤り。目標値の見直し自体は行いますが、SLAは顧客との合意なので一方的には 変えられません。実績に合わせて下げるだけでは改善も起きません。見直すなら 理由と改善策を示し、顧客と協議して合意し直す必要があります。

  3. 実績と未達の原因を顧客へ報告し、改善策や目標値の妥当性を一緒に見直す。

    正解。サービスレベル管理は、合意した水準の達成状況を測り、顧客へ報告し、 必要なら改善や目標の見直しにつなげる一連の活動です。未達のときこそ、 報告と見直しの場を持つことが役割の中心になります。

  4. 顧客には報告せず社内で原因の除去を進め、達成できてから経緯をまとめて伝える。

    誤り。原因を取り除く取組み自体は問題管理として必要ですが、報告を止めては いけません。定期的な報告があるから顧客も優先度や投資の判断ができます。 改善が終わるまで黙るのは、合意の当事者として不誠実な対応です。

約束は結んだ後のほうが長い

健康診断で「体重を5kg減らす」と決めたとして、決めた瞬間に痩せるわけでは ありません。定期的に体重を量り、結果を医師に見せ、うまくいかなければやり方を 変えます。サービスレベル管理は、SLAに対するこの「量って見せて直す」活動です。

SLMが回す流れ

  • 測る: 稼働率、応答時間、一次回答までの時間などを決めた周期で集計する
  • 報告する: 実績と目標を並べ、未達なら原因と影響も添えて顧客へ示す
  • 見直す: 改善策を決める。目標値が実情に合わなければ顧客と協議して変える

未達を隠すと、顧客は自社の業務計画を誤った前提で立ててしまいます。また、 目標を高くしすぎていた場合も、報告を重ねて初めて分かります。報告は 「成績発表」ではなく、次の打ち手を顧客と決めるための材料です。

混同しやすいものとの違い

用語 何をするか
サービスレベル管理 目標と実績を測って報告し、改善や目標の見直しにつなげる
SLA その目標値を定めた顧客との合意文書。変更には双方の合意が要る
問題管理 未達の原因となった障害の根本原因を取り除く
サービスデスク 個々の問合せや苦情を受け付ける窓口

試験では「文書か活動か」に加えて、「一方的に決めていないか」が手掛かりに なります。目標値に関わる判断が提供者だけで完結している選択肢は、 サービスレベル管理としては誤りだと考えてください。

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