サービスマネジメントサービスマネジメント★★★

サービスデスクの担当者が「システムにログインできない」という連絡を受けた。 手順書どおり確認したが解決せず、認証サーバの設定変更が要ると分かったが、 担当者にその権限はない。エスカレーションとして最も適切な対応はどれか。

正解:

  1. 権限は無いが手順書を見ながら認証サーバの設定を自分で変更し、解決を急ぐ。

    誤り。早く直したい気持ちは分かりますが、権限の無い作業を独断で行えば、 別の利用者に影響が及んでも誰も把握できません。エスカレーションは、自分の 権限や技術を超えたときに正規の担当へ渡す仕組みで、その逆を行う行為です。

  2. 同じ内容の連絡が何件届いているかを集計し、一定数を超えた時点で基盤担当へ相談する。

    誤り。件数の集計は傾向を分析するときの手法で、目の前で止まっている業務を 待たせる理由にはなりません。自分では解決できないと判断した時点で引き継ぐ、 というのがエスカレーションの引き金です。数がそろうまで待つものではありません。

  3. 確認した内容と試した対処を添えて基盤担当へ引き継ぎ、窓口として進捗の把握を続ける。

    正解。自分の権限や技術で対応できないと分かったら、それまでに得た情報を 添えて適切な担当へ渡します。引き継いでも記録と窓口は自分のところに残るので、 利用者への連絡が途切れません。

  4. 解決の見込みが立たないので受付の記録をいったん取り下げ、利用者に再度連絡してもらう。

    誤り。記録を取り下げると、聞き取った症状も試した対処も失われ、利用者は 同じ説明を最初からやり直すことになります。エスカレーションは対応する人が 替わるだけで、受付そのものは解決まで生き続けます。

引き継ぐのは「対応」であって「責任」ではない

飲食店で客からの苦情に新人が対応しきれないとき、店長を呼びます。呼ばれた店長が 判断して解決しますが、客を最後まで見送るのは新人のままです。エスカレーションも 同じで、対応する人は替わっても、受け付けた側は窓口として関わり続けます。

いつ上げるか、何を渡すか

エスカレーションの引き金は次のどちらかです。

  • 権限が足りない(設定変更や承認を自分では行えない)
  • 技術や情報が足りない(手順書の範囲では原因に届かない)

渡すときは、利用者から聞き取った症状、発生した時刻、影響を受けている業務、 すでに試した対処と結果をそろえます。ここが抜けると、引き継いだ先が同じ確認を 一からやり直すことになり、上げた意味がなくなります。

なお、上位者の判断を仰ぐ形(階層的な引継ぎ)と、より専門的な担当へ渡す形 (技術的な引継ぎ)のどちらもエスカレーションと呼びます。

引き継いだあとに残るもの

引き継いだ後 どうなるか
窓口 サービスデスクのまま。利用者の連絡先は変わらない
記録 受付時の記録を引き継ぎ、対応の経過を追記していく
実作業 権限と技術を持つ担当部門や上位者へ移る

試験では「専門の担当へ任せたので窓口の役目は終わり」という趣旨の選択肢が出たら 誤りだと判断できます。渡すのは作業であって、利用者との接点ではありません。

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