ビジネス変革の方法論社会変化の動向★★☆

デジタル技術を武器にした企業の登場によって、既存の業界の構造やビジネスモデルが 根本から覆されることをデジタルディスラプションという。 その事例として、最も適切なものはどれか。

正解:

  1. 紙で回していた稟議書を電子ワークフローに置き換え、承認の日数を短縮した。

    誤り。これは紙の手続をそのままデジタルに置き換えて効率を上げた例です。 デジタル技術は使っていますが、効果は自社の事務作業の中に収まっており、 業界の他社や顧客との関係まで変えるものではありません。

  2. 基幹システムを自社のサーバからクラウドへ移し、運用の負担を軽くした。

    誤り。これはIT基盤の置き場所を変えた取組みです。運用コストや体制は変わりますが、 顧客に提供する商品やサービスの中身は従来と同じで、 市場での競争のされ方も変わっていません。

  3. 動画配信サービスの普及によって、DVDのレンタル店を中心とした市場が消えた。

    正解。既存店が努力を怠ったのではなく、デジタル技術を前提にした別の形の サービスが現れたことで、店舗に借りに行くという仕組みごと不要になりました。 業界そのものが置き換わる、これがディスラプション(破壊)です。

  4. 店舗の販売データを分析し、売れ筋商品の品ぞろえを増やして売上を伸ばした。

    誤り。これはデータ活用による既存事業の改善です。判断の精度は上がりますが、 店舗で商品を売るという事業の形は変わっておらず、 業界の他社にとっての前提が崩れたわけでもありません。

競争相手が「同じ業界の会社」ではなくなる

ディスラプション(disruption)は「破壊」「途絶」という意味です。 デジタルディスラプションでは、既存企業が同業他社と競っているうちに、 まったく別の仕組みを持ち込んだ企業が現れ、市場そのものを消してしまいます。

レンタル店にとっての脅威は、隣町のレンタル店ではなく動画配信でした。 価格やサービスで勝負する前に、店に借りに行くという行為が不要になったのです。

なぜデジタルだと起きるのか

  • 物理的な店舗や在庫がいらないため、少ない投資で全国の顧客に届く
  • 利用者が増えても追加コストが小さく、一気に規模を広げられる
  • 業界の外にいた企業でも、技術さえあれば参入できる

つまり、これまで参入を防いでいた設備や流通網といった壁が、 デジタル技術によって意味を失います。

取組みごとの「変わる範囲」

取組み 変わるもの
デジタルディスラプション 業界の構造と競争のルールそのもの
業務の電子化 自社の作業手順と処理時間
クラウド移行 自社のIT基盤と運用コスト
販売データの分析 既存事業の判断の精度

試験では、効果が自社の中で完結していれば効率化、 市場や業界の側が変わっていればディスラプションと見分けます。

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