ビジネス変革の方法論変革活動のマネジメント★★★

A社は従来、システム導入のたびに担当者が個別に説明会を開いてきた。今後は変革が 続くと考え、変化を進める手順や役割、担い手の育成を全社共通の仕組みとして整え、 変化に対応する力そのものを高めることにした。この取組みに該当するものはどれか。

正解:

  1. 個人のチェンジマネジメント

    誤り。これは変化の影響を受ける一人ひとりに焦点を当て、必要性の理解から 実践までを段階的に支援する取組みです。A社の狙いも最終的には社員の行動ですが、 問われているのは個々への働きかけではなく、全社の仕組みづくりです。

  2. プロジェクトのチェンジマネジメント

    誤り。これは特定の導入や改革の案件について、影響を受ける部門を洗い出し、 その案件の中で移行を計画・支援する取組みです。A社がこれまで行ってきた 案件ごとの説明会がこれに近く、今回はそこから一段広げようとしています。

  3. プロジェクトの変更管理

    誤り。これはプロジェクトマネジメントの手続で、スコープや成果物への変更要求を 評価し、承認するか却下するかを決めるものです。同じ「変更」でも 扱う対象が計画や成果物であって、人の意識や行動ではありません。

  4. 組織のチェンジマネジメント

    正解。個々の導入案件で終わらせず、変革の進め方や役割、育成の仕組みを 会社の共通の能力として定着させる取組みです。次に変化が来たときにも 同じやり方で対応できる状態をつくることが目的です。

仕組みを新しくしても、人が変わらなければ効果は出ない

新しいシステムを入れたのに、現場では前のやり方が残っていて二重作業になる。 よくある失敗です。チェンジマネジメントは、この「人の側」を扱う活動で、 変化への抵抗を減らし、新しいやり方が当たり前になるまでを支えます。

三つのレベル

働きかける範囲によって、次のように整理されます。

  • 個人 — 一人ひとりが、変化の必要性を理解し、知識を得て、実践できるようにする
  • プロジェクト — ひとつの案件で、影響を受ける人を特定し、移行を計画して支援する
  • 組織 — 変革の進め方そのものを全社の能力として備え、繰り返す変化に対応する

A社は、案件ごとの説明会(プロジェクトのレベル)から、 手順と担い手を全社に備える段階へ進もうとしています。これが組織のレベルです。

混同しやすいものとの違い

用語 何を対象にするか
個人のチェンジマネジメント 変化の影響を受ける一人ひとりの理解と行動
プロジェクトのチェンジマネジメント ひとつの案件と、その関係者の移行
組織のチェンジマネジメント 繰り返す変革に対応する、会社全体の能力
プロジェクトの変更管理 計画やスコープ、成果物への変更要求

試験では、取組みが一つの案件で完結しているか、 次の変革にも使える仕組みとして残るかで、プロジェクトと組織を見分けます。

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