機能や価格だけでは他社と差がつきにくくなり、多くの企業が顧客体験(CX)の 向上に取り組むようになった。CXの説明として、最も適切なものはどれか。
正解:エ
ア一人の顧客が取引を続ける間に、企業へもたらす利益を合計して見積もったもの。
誤り。これは顧客生涯価値(LTV)の説明です。良い体験は取引の継続につながるため CXの成果を測る指標として使われますが、LTVはあくまで金額で表した結果であり、 顧客が受け取る体験そのものを指す言葉ではありません。
イ提供した商品やサービスに顧客がどれだけ満足したかを、調査で数値化したもの。
誤り。これは顧客満足度(CS)の説明です。CSは提供した商品への評価を後から 測った指標で、対象は主に商品やサービス単体です。CXは購入前の情報収集から 購入後の利用やサポートまでを含む、過程全体を指します。
ウ画面の見やすさや操作のしやすさなど、製品を使うときの操作性の良しあし。
誤り。これはユーザビリティ(使いやすさ)の説明です。製品を操作する場面に 限った話であり、CXの一部にすぎません。CXは店頭やWebでの情報収集、配送、 サポートといった、製品の外側にある接点も範囲に含みます。
エ商品を知ってから、選び、買い、使い、問い合わせるまでに顧客が得る体験の全体。
正解。顧客は商品そのものだけでなく、探す・買う・使う・相談するという 一連の過程で企業を評価しています。機能や価格が横並びになるほど、 この過程で得られる体験の差が「選ばれる理由」になります。
評価されているのは、買った物だけではない
同じコーヒー豆を売る店でも、探しやすいWebサイト、待たせない受け取り、 届いた箱を開けたときの分かりやすい説明、困ったときにすぐつながる問合せ窓口が そろっている店は、また使いたくなります。買う前から買った後までの一連の過程が まとめて評価されている、というのが顧客体験(CX)の考え方です。
なぜ体験が重視されるようになったのか
- 誰でも比較サイトや口コミで調べられるようになり、機能と価格では差がつきにくい
- 顧客は購入前にSNSや口コミで情報を集め、購入後も感想を発信する(購買行動の変化)
- 企業との接点がWeb・アプリ・店舗・配送・サポートと増え、どれか一つが悪いだけで 全体の印象が下がってしまう
だからこそ、個々の接点を良くするだけでなく、つながり全体を設計する必要があります。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 何を指すか |
|---|---|
| 顧客体験(CX) | 認知から購入後までの接点全体で、顧客が受け取る体験 |
| 顧客満足度(CS) | 提供した商品・サービスへの満足の度合いを測った指標 |
| ユーザビリティ | 製品を操作するときの使いやすさ。CXの一部 |
| 顧客生涯価値(LTV) | 一人の顧客が取引期間中に企業へもたらす利益の合計 |
試験で狙われるのはCXとCSの線引きです。測った結果の数値ならCS、 顧客がたどる過程そのものならCX、と見分けると迷いません。