正解:エ
各選択肢の解説
ア待機系も同じデータを使い続けるので、待機系をバックアップの代わりにしてよい。
誤り。待機系が使うのは稼働系と同じ共有ディスクのデータで、過去の状態の控えではありません。 誤削除やランサムウェアによる暗号化は、そのまま待機系にも引き継がれます。
イ2台を仮想化して1台の物理サーバに集約すれば、故障にも破損にも備えられる。
誤り。仮想化による集約は、台数や電力を減らすための手段です。1台の物理サーバに まとめると、その1台の故障で両方が止まり、データ破損への備えにもなりません。
ウ稼働系と待機系を別の建物に置けば、データの破損にも備えられる。
誤り。設置場所を分けると、建物の火災や停電で両方が止まる事態には強くなります。 ただし、データが論理的に壊れた場合は、離れた待機系も同じデータを使うので救えません。
エ誤削除や暗号化も待機系に引き継がれるので、世代を分けたバックアップは別に要る。
正解。クラスタは機器の故障に備えて処理を引き継ぐ仕組みで、データの中身までは守りません。 壊れる前の状態に戻すには、世代を分けたバックアップが別に必要です。
理解を深めるために
クラスタは「機械」を守り、バックアップは「中身」を守る
クラスタは、複数のサーバをまとめて1台のように動かす構成です。稼働系が壊れたら 待機系が処理を引き継ぐので、機器の故障では業務が止まりにくくなります。 ただし、運転手が交代しても積み荷は同じなのと同じで、引き継がれるのはデータも含めた今の状態です。
なぜバックアップが別に要るのか
- 誤削除: 利用者が消したファイルは、待機系から見ても消えている
- ランサムウェア: 暗号化されたファイルは、待機系に切り替えても暗号化されたまま
- バックアップ: 過去の時点の控えを、世代を分けて別の場所に持つ。 壊れる前の状態に戻せるのはこちらだけ
クラスタで高まるのは可用性で、データの完全性を守る手段ではありません。 両方が必要で、片方がもう片方の代わりにはなりません。
混同しやすい判断との違い
| 構成・手段 | 備えられるもの |
|---|---|
| 世代を分けたバックアップ | 誤削除や暗号化の前の状態に戻す |
| クラスタ(同じ建物) | 機器1台の故障 |
| クラスタ(別の建物) | 機器の故障と、建物単位の災害 |
| 仮想化による集約 | 台数・電力・保守の削減(故障への備えではない) |
何に備えたいかを「機器が壊れる」「建物が使えない」「データが壊れる」に分けると、 手段を取り違えません。