正解:ア
各選択肢の解説
ア業務データを端末に保存しないので、紛失しても情報が漏れにくい。
正解。シンクライアントでは、アプリケーションの実行とデータの保存をサーバ側で行い、 端末は画面の表示と操作の受け渡しを担います。端末に情報が残らないので、紛失の影響が小さくなります。
イサーバが1台止まっても、別のサーバが処理を引き継いで業務が続く。
誤り。これはクラスタの効果です。複数のサーバをまとめて1つのシステムとして動かし、 障害時に処理を引き継ぎます。どちらもサーバ側の仕組みなので混同しやすいですが、 クラスタが守るのは可用性で、端末の紛失対策ではありません。
ウ1台の物理サーバで複数のOSを動かし、サーバの台数を減らせる。
誤り。これはサーバの仮想化(ハイパーバイザー型など)の効果です。シンクライアントの サーバ側で仮想化を使うことはありますが、台数の削減は運用効率の話で、 持ち出した端末からの情報漏えいを防ぐ効果ではありません。
エ画面の情報だけをやり取りするので、通信を暗号化する必要がなくなる。
誤り。やり取りするのが画面だけでも、そこには業務の情報が表示されています。 盗聴されれば内容は読み取れるので、通信の暗号化は引き続き必要です。 「端末に残らない」ことと「経路で守られる」ことは別の話です。
理解を深めるために
端末は「窓」、データはサーバ側に置いたまま
シンクライアントは、店の窓口に置かれた端末のようなものです。窓口で書類の中身を見て 操作はできますが、書類そのものは奥の保管庫にあります。窓口の端末を持ち去られても、 保管庫の書類は手元に残りません。 これが、持ち出し端末の紛失対策としてシンクライアントが 選ばれる理由です。
なぜ紛失に強いのか
- アプリケーションの実行とデータの保存は、サーバ側で行う
- 端末はサーバの画面を表示し、キーボードやマウスの操作を送るだけ
- 端末に業務データを残さない運用にできるので、紛失・盗難時の情報漏えいを抑えやすい
ただし、端末を盗んだ人がそのままサーバに接続できては意味がありません。 認証の強化や、紛失時に接続を止める手順は別に要ります。 また、サーバに通信できないと仕事ができないという制約もあります。
混同しやすい仕組みとの違い
| 仕組み | 主に守る・得るもの |
|---|---|
| シンクライアント | 端末に情報を残さず、紛失時の漏えいを抑える |
| クラスタ | 複数のサーバをまとめ、障害時も処理を続ける(可用性) |
| サーバの仮想化 | 1台の物理サーバで複数のOSを動かし、資源を有効に使う |
| 通信の暗号化 | 経路での盗聴を防ぐ。シンクライアントでも必要 |
基盤技術の問題では、「その仕組みが何を守るのか」を場面と結びつけて判断します。 端末の紛失が問題ならシンクライアント、サーバの停止が問題ならクラスタです。