問題 5★★☆

全社のPCを管理するため、資産管理ソフトウェアのライセンスを買い切りで購入し、 5年間社内で使う予定である。導入によって管理作業の費用削減が見込まれる。 購入代金が計上される貸借対照表の区分として、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア無形固定資産

    正解。社内で利用するソフトウェアは、形のない資産として無形固定資産に計上し、 使う期間にわたって少しずつ費用(償却)にしていきます。

  2. イ有形固定資産

    誤り。有形固定資産は建物や機械、サーバやPC本体など、形のある資産です。 ソフトウェアはPCに入れて使うので形があるように感じますが、 資産として持っているのは使う権利とプログラムで、実体のある物ではありません。

  3. ウ繰延資産

    誤り。繰延資産は、支出済みで換金価値はないが効果が将来に及ぶ費用を、 資産として繰り延べたものです。効果が数年続く点は似ていますが、対象は創立費や開業費など 会計の基準が定める項目に限られ、ソフトウェアは含まれません。

  4. エ流動資産

    誤り。決算日の翌日から1年以内に現金化や費用化されるものの区分です。 1年分の利用料を前払いするサブスクリプション契約ならこちらに入りますが、 今回は買い切りで5年間使うので、1年を超えて使う固定資産になります。

理解を深めるために

長く使う、形のない資産

貸借対照表の資産は、まず「1年以内に現金化・費用化されるか」で流動資産と固定資産に分かれ、 固定資産はさらに「形があるか」で有形と無形に分かれます。買い切りで5年間使う社内利用の ソフトウェアは、1年を超えて使い、形がないので、無形固定資産です。

なぜソフトウェアは無形固定資産なのか

  • 社内で利用するソフトウェアは、将来の収益の獲得や費用の削減が確実と認められる場合に、取得にかかった費用を資産として計上する
  • 計上したソフトウェアは、使う期間にわたって減価償却し、少しずつ費用にしていく
  • 同じ情報機器でも、サーバやPCの本体は形があるので有形固定資産になる

情報セキュリティの担当者が予算を扱うときにも、この区別は効いてきます。セキュリティ製品を 買い切りで導入するのか、月額や年額のサービスとして契約するのかで、貸借対照表に資産として 残るのか、その期の費用になるのかが変わります。

混同しやすいものとの違い

区分 中身 例
無形固定資産 1年を超えて使う、形のない資産 ソフトウェア、特許権
有形固定資産 1年を超えて使う、形のある資産 建物、サーバやPCの本体
繰延資産 支出済みで換金価値はないが、効果が将来に及ぶ費用 創立費、開業費
流動資産 1年以内に現金化・費用化される資産 現金、売掛金、1年分の前払利用料

「形があるか」で有形と無形を見分けます。繰延資産は創立費・開業費など基準が定める項目に限られるので、 「効果が数年続く」だけで繰延資産と判断しないことが大切です。

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