正解:エ
各選択肢の解説
ア問合せを受けた従業員は、その時点で知っている事実をその場で正確に答える。
誤り。一人ひとりが正確に答えようとしても、知っている事実の範囲は人によって違うため、 説明は食い違います。この場面で起きたことそのものです。 受けた人が答えるのではなく、決められた窓口へつなぎます。
イ調査ですべての事実が判明するまで、問合せには一切応じないと定める。
誤り。説明を控えれば食い違いは起きませんが、取引先や顧客は対応に必要な情報を得られず、 隠していると受け取られて信頼を失います。分かっている範囲を、窓口から 承認を得た内容で説明します。
ウ各従業員がSNS利用ポリシーに沿って、個人のアカウントで事実を説明する。
誤り。SNS利用ポリシー(ソーシャルメディアガイドライン)は、従業員がSNSで 発信するときの注意を定めるもので、組織としての説明の手段ではありません。 個人が発信すれば、説明の食い違いはかえって広がります。
エ対外説明の窓口と、説明する内容を承認する者を定め、問合せは窓口に回す。
正解。説明する人を窓口に絞り、内容を承認する者を決めておけば、組織として一つの説明になります。 窓口以外の従業員は、問合せを受けたら答えずに窓口へ回します。
理解を深めるために
組織として「一つの声」で説明する
事故の記者会見で、担当者ごとに違う数字を言えば、どれが本当か分からなくなり、 説明そのものが信用されません。インシデントの場面でも、誰が外に向けて説明し、 誰がその内容を承認するかを前もって決めておくのが対外説明の規程です。
なぜ窓口と承認者を決めておくのか
- 事故の直後は、従業員によって知っている事実の範囲が違う。 それぞれが答えると、悪意がなくても説明が食い違う
- 窓口を決め、窓口以外の従業員は問合せを受けたら答えずに窓口へ回す
- 説明の内容は、事実の確認と影響の見通しを踏まえ、承認者が承認したものに限る
- 説明を控えればよいわけではない。取引先や顧客は自分たちの対応のために情報を必要としている。 分かっている範囲と、今後の説明の予定を示す
- 窓口や連絡体制は、情報セキュリティインシデント対応規程と合わせて定めておく
混同しやすい定め方との違い
| 定め方 | どうなるか |
|---|---|
| 窓口と承認者を定め、問合せは窓口へ | 組織として一つの説明になる |
| 受けた従業員がその場で答える | 知っている範囲の違いで食い違う |
| 判明するまで一切応じない | 必要な情報が届かず信頼を失う |
| 個人のSNSで説明する(SNS利用ポリシーとの混同) | 食い違いが広がる |
対外説明の規程は「誰が・何を承認して話すか」を決める規程です。 個人の発信の注意を定めるSNS利用ポリシーとは、対象が違います。