正解:ウ
各選択肢の解説
アOSとソフトウェアの修正プログラムを、公開後すみやかに適用する。
誤り。修正プログラムの適用は、攻撃に使われる弱点を事前になくす予防の管理策です。 重要な対策なので足りないものに見えますが、予防は実行制限と訓練で既に揃っています。 起きる前に防ぐのか、起きたことに気づくのかで分けます。
イ業務データを毎日バックアップし、復元の手順を定期的に試す。
誤り。バックアップは、感染や破壊が起きた後に元の状態へ戻すための是正の管理策です。 「備え」として事前に行うので予防と思われがちですが、効果が出るのは被害の後です。 是正には初期化と復元の手順が既にあります。
ウ端末の不審なふるまいを常時監視し、見つけたら担当者に通知する。
正解。既存の3つは予防が2つ、是正が1つで、侵入に気づく検知がありません。 予防をすり抜けた感染を見つけられなければ、是正の手順も始められません。
エ利用者に、不審なメールの見分け方を教える研修を行う。
誤り。研修は、利用者が不審なメールを開かないようにする予防の管理策で、標的型メール訓練と 同じタイプです。人に働きかける対策なので別枠に見えますが、効く時点は事故の前です。 同じタイプを重ねても、欠けているタイプは埋まりません。
理解を深めるために
管理策タイプは「いつ効くか」で分ける
JIS Q 27002 では、管理策に属性を付けて整理でき、その1つが**管理策タイプ(予防・検知・是正)**です。 火事にたとえると、燃えにくい建材や火気の管理が予防、火災報知器が検知、消火と建物の修復が是正です。 報知器がなければ、消火を始めるきっかけがありません。
3つのタイプを揃える理由
- 予防: 事故が起きる前に、起きにくくする(実行制限、修正プログラムの適用、研修)
- 検知: 起きた事故や兆候に気づく(ふるまいの監視、ログの確認、アラート)
- 是正: 起きた事故の影響を抑え、元に戻す(初期化、バックアップからの復元)
予防は完全ではないので、すり抜けたときに気づく仕組みと戻す仕組みを用意します。 この部門のように予防と是正だけが厚いと、感染に気づくのが利用者の申告頼みになり、 是正の手順を始めるまでの時間が延びて被害が広がります。
混同しやすいものとの違い
| 管理策 | タイプ | 効く時点 |
|---|---|---|
| ふるまいの常時監視と通知 | 検知 | 事故が起きている最中 |
| 修正プログラムの適用 | 予防 | 事故の前 |
| 不審メールの研修 | 予防 | 事故の前 |
| バックアップと復元の訓練 | 是正 | 事故の後 |
対策を「事前に行うか」ではなく「効くのが事故の前か、最中か、後か」で分類するのが見分けるこつです。