問題 23★★☆

標的型攻撃メールが入口のメールフィルタをすり抜けて端末で開かれたが、端末のEDRが不審な動作を 検知して隔離し、外部の不審なサーバへの通信もプロキシで遮断されたため、情報は持ち出されなかった。 一つの対策が破られても次で止めるこの備えの考え方はどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. アゼロトラスト

    誤り。ゼロトラストは、接続元が社内かどうかを信頼の根拠にせず、アクセスのたびに利用者や端末を 検証する考え方です。EDRを使う点が共通するため紛らわしいですが、問題文はアクセスの検証ではなく、 攻撃が段階を進むごとに別の対策で止めた話です。

  2. イ多層防御

    正解。入口(メールフィルタ)、内部(EDR)、出口(プロキシ)に別々の対策を重ね、一つが 破られても次の層で止めたので、多層防御の考え方です。

  3. ウ境界型防御

    誤り。境界型防御は、社内と社外の境界で守り、内側は安全とみなす考え方です。メールフィルタや プロキシは境界に置かれるため当てはまりそうに見えますが、境界を越えた後の端末でEDRが 止めた点は、内側を信頼する前提とは合いません。

  4. エセキュリティバイデザイン

    誤り。セキュリティバイデザインは、システムの企画・設計の段階からセキュリティを組み込む 考え方で、「いつ考えるか」を表します。問題文は、運用中に攻撃をどう止めたかという 「対策の重ね方」の話なので、軸が違います。

理解を深めるために

多層防御は「どれかが破られる前提で、守りを重ねる」こと

城にたとえると、堀、城壁、門番、天守の守りを重ねておけば、堀を越えられても城壁で止められます。 一つの対策が完全であることに頼らず、種類の違う対策を重ねるのが多層防御(Defense in Depth)です。

入口・内部・出口で止める

標的型攻撃は、侵入、端末での活動、外部への持ち出しと段階を踏んで進みます。多層防御では、 それぞれの段階に対策を置きます。

  • 入口対策: メールフィルタ、Webフィルタなどで侵入を防ぐ
  • 内部対策: EDRによる検知と隔離、権限の制限などで広がりを抑える
  • 出口対策: プロキシやファイアウォールで、外部の不審なサーバとの通信を止める

今回は入口が破られましたが、内部と出口の対策が働いたので被害に至りませんでした。 同じ種類の対策を2重にするのではなく、別の段階・別の仕組みで守ることが要点です。

混同しやすいものとの違い

考え方 軸 中身
多層防御 対策の重ね方 段階ごとに別の対策を置き、一つが破られても次で止める
ゼロトラスト 何を信頼するか 接続元の場所を信頼せず、アクセスのたびに検証する
境界型防御 どこで守るか 社内外の境界で守り、内側は安全とみなす
セキュリティバイデザイン いつ考えるか 企画・設計の段階から組み込む

「破られても次で止まった」という結果が書かれていたら、多層防御を問われていると読みます。

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