正解:イ
各選択肢の解説
アゼロトラスト
誤り。ゼロトラストは、接続元が社内かどうかを信頼の根拠にせず、アクセスのたびに利用者や端末を 検証する考え方です。EDRを使う点が共通するため紛らわしいですが、問題文はアクセスの検証ではなく、 攻撃が段階を進むごとに別の対策で止めた話です。
イ多層防御
正解。入口(メールフィルタ)、内部(EDR)、出口(プロキシ)に別々の対策を重ね、一つが 破られても次の層で止めたので、多層防御の考え方です。
ウ境界型防御
誤り。境界型防御は、社内と社外の境界で守り、内側は安全とみなす考え方です。メールフィルタや プロキシは境界に置かれるため当てはまりそうに見えますが、境界を越えた後の端末でEDRが 止めた点は、内側を信頼する前提とは合いません。
エセキュリティバイデザイン
誤り。セキュリティバイデザインは、システムの企画・設計の段階からセキュリティを組み込む 考え方で、「いつ考えるか」を表します。問題文は、運用中に攻撃をどう止めたかという 「対策の重ね方」の話なので、軸が違います。
理解を深めるために
多層防御は「どれかが破られる前提で、守りを重ねる」こと
城にたとえると、堀、城壁、門番、天守の守りを重ねておけば、堀を越えられても城壁で止められます。 一つの対策が完全であることに頼らず、種類の違う対策を重ねるのが多層防御(Defense in Depth)です。
入口・内部・出口で止める
標的型攻撃は、侵入、端末での活動、外部への持ち出しと段階を踏んで進みます。多層防御では、 それぞれの段階に対策を置きます。
- 入口対策: メールフィルタ、Webフィルタなどで侵入を防ぐ
- 内部対策: EDRによる検知と隔離、権限の制限などで広がりを抑える
- 出口対策: プロキシやファイアウォールで、外部の不審なサーバとの通信を止める
今回は入口が破られましたが、内部と出口の対策が働いたので被害に至りませんでした。 同じ種類の対策を2重にするのではなく、別の段階・別の仕組みで守ることが要点です。
混同しやすいものとの違い
| 考え方 | 軸 | 中身 |
|---|---|---|
| 多層防御 | 対策の重ね方 | 段階ごとに別の対策を置き、一つが破られても次で止める |
| ゼロトラスト | 何を信頼するか | 接続元の場所を信頼せず、アクセスのたびに検証する |
| 境界型防御 | どこで守るか | 社内外の境界で守り、内側は安全とみなす |
| セキュリティバイデザイン | いつ考えるか | 企画・設計の段階から組み込む |
「破られても次で止まった」という結果が書かれていたら、多層防御を問われていると読みます。