正解:ウ
各選択肢の解説
ア同じサーバ室にテープ装置をもう1台置き、同じバックアップを取る。
誤り。これでデータの複製は3つになりますが、すべてが同じサーバ室にあります。 数を増やせば安心と考えがちですが、火災や浸水、建物ごとの被害では一度に失われます。 3-2-1ルールの「1つは離れた場所に」を満たしていません。
イファイルサーバのディスクをRAID1で二重化する。
誤り。RAID1はディスクの故障に備えて同じ内容を2台に同時に書き込む仕組みです。 複製に見えますが、誤って削除したり暗号化されたりすると両方に同時に反映されるので、 過去の状態に戻せるバックアップとしては数えません。
ウ別の拠点やクラウドなど、離れた場所にもバックアップを1つ保管する。
正解。原本と2つのバックアップで3つ、ファイルサーバのディスクとテープで2種類の媒体、 そのうち1つが離れた場所、となり3-2-1ルールの3条件がそろいます。
エバックアップの取得頻度を、毎週から毎日に増やす。
誤り。頻度を上げると、失うデータの量(どの時点まで戻せるか)は減ります。 バックアップの改善策として正しい方向なので選びやすいのですが、複製の数・媒体・ 保管場所はどれも変わらず、3-2-1ルールの条件とは別の軸です。
理解を深めるために
卵を1つのかごに盛らない
3-2-1ルールは、バックアップを「どれだけ」「何に」「どこに」持つかの目安です。
- 3: データの複製を3つ持つ(原本を含む)
- 2: 2種類の異なる媒体に保存する
- 1: そのうち1つは離れた場所に保管する
大事な書類のコピーを机の引き出しに2部しまっても、部屋が火事になれば全部失います。 1部を別の建物に預けておけば、どれか1つは残ります。
なぜこの3条件なのか
- 複製が1つだけだと、その1つが壊れていたときに戻せない(数の条件)
- 同じ種類の媒体は、同じ原因(同じ型の不具合など)でまとめて壊れやすい(媒体の条件)
- 同じ場所にあると、火災・浸水・盗難で一度に失う(場所の条件)
問題の部門は、原本(ディスク)とテープで「2つ・2種類・0か所」の状態です。 足りないのは数と場所なので、離れた場所にもう1つ置けば両方が一度に満たせます。
なお、ランサムウェアはネットワークでつながったバックアップまで暗号化することがあります。 3-2-1ルールを満たしたうえで、書き換えや削除ができないイミュータブルバックアップや、 取得時以外は切り離しておく運用を組み合わせると、復旧できる見込みが高まります。
混同しやすいものとの違い
| 対策 | 何に備えるか | 3-2-1ルールとの関係 |
|---|---|---|
| 離れた場所にもう1つ保管 | 拠点ごとの被害 | 数と場所の条件を満たす |
| 同じ部屋にテープ装置を追加 | 1台の故障 | 数は満たすが場所の条件を満たさない |
| RAID1による二重化 | ディスクの故障 | 削除・暗号化も同時に写るので数えない |
| 取得頻度を増やす | 失うデータの量 | 数・媒体・場所は変わらない |
試験では、いまの構成を「数・媒体・場所」に分けて数え、足りない条件を埋める対策を選びます。