正解:エ
各選択肢の解説
アワンタイムコードの有効期限を、5分から1分に短くする。
誤り。この手口では、攻撃者は入力されたコードをその場で正規サービスに転送して使います。 有効期限を短くすると古いコードの悪用は防げるので効きそうに見えますが、 数秒で中継される攻撃には間に合ってしまいます。
イワンタイムコードの送付先を、SMSから電子メールに切り替える。
誤り。送付の経路を変えても、届いたコードを利用者が偽の画面に入力してしまえば 同じように中継されます。SMSの乗っ取りへの対策と混同しやすいのですが、 今回の弱点は届く経路ではなく、利用者が相手のサイトを見分けられない点にあります。
ウパスワードの文字数を増やし、定期的に変更させる。
誤り。パスワードを長くするのは推測や総当たりへの対策です。利用者が自分で 偽の画面に入力してしまう場面では、どれだけ複雑なパスワードでもそのまま盗まれます。 攻撃の種類(推測される/だまし取られる)が違います。
エログインの方式を、パスキーによる認証に切り替える。
正解。パスキーは登録した正規サイトのドメインに結び付いており、偽のサイトでは 認証が成り立ちません。利用者がだまされても渡せる秘密がないので、中継されません。
理解を深めるために
だまされても「渡すものがない」のがパスキー
今回の手口は、偽のログイン画面が利用者の入力を受け取り、その場で正規のサービスに 転送してログインするものです。ワンタイムコードは一度しか使えませんが、 その一度を攻撃者に先に使われると防げません。
合言葉を言えば通れる門なら、偽の門番に合言葉を聞き出されて終わりです。 パスキーは、合言葉を口にする代わりに、本物の門でしか開かない鍵を差し込む仕組みにたとえられます。
なぜパスキーなら防げるのか
パスキーは、FIDO Alliance が推進する公開鍵暗号を使った認証方式です。
- 登録時に端末内で鍵のペアを作り、サービスには公開鍵だけを預ける
- ログインでは、端末内の秘密鍵でサービスからのチャレンジに署名して返す
- 鍵はサービスのドメインごとに作られ、ブラウザなどが接続先のドメインを確かめてから使う
偽のサイトはドメインが違うので、そもそも正規サイト用の鍵が使われません。 利用者が見分けられなくても、仕組みの側で相手を確かめる点が、 パスワードやワンタイムコードとの決定的な違いです。
混同しやすいものとの違い
| 対策 | 防げる攻撃 | 偽画面の中継に対して |
|---|---|---|
| パスキー | フィッシング・パスワードの漏えい | 偽サイトでは認証が成り立たない |
| ワンタイムコードの短い有効期限 | 古いコードの使い回し | 即座に中継されれば通る |
| ワンタイムコードの送付経路の変更 | SMSの乗っ取りなど経路の弱点 | 利用者が入力すれば通る |
| パスワードの長さ・定期変更 | 推測・総当たり | 入力すればそのまま盗まれる |
試験では「利用者がだまされて入力した」場面か「推測・漏えい」の場面かを見分け、 前者には利用者の判断に頼らないパスキーを選ぶ、と判断します。