問題 30★★☆

あるランサムウェアの被害事例では、攻撃者が奪った管理者の権限でバックアップサーバにも ログインし、バックアップを削除してから業務データを暗号化した。 自社のバックアップで同じ被害を防ぐ対策として、最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. アバックアップのデータを暗号化してから保存する。

    誤り。暗号化は、持ち出されても中身を読ませないための対策(機密性)です。 同じ「暗号化」という言葉で守れそうに見えますが、管理者の権限があれば暗号化済みのファイルでも削除できます。

  2. イ保存期間中は、管理者の権限でも変更や削除ができない設定で保存する。

    正解。イミュータブルバックアップは、決めた保存期間が過ぎるまで誰も書き換えや削除ができません。 管理者の権限を奪われても、バックアップを消されないので復旧できます。

  3. ウバックアップの取得頻度と保存する世代の数を増やす。

    誤り。世代が多いほど、戻せる時点の選択肢は増えます。 しかし世代がすべて同じサーバにあり、同じ管理者の権限で消せるなら、何世代あっても一度に削除されます。

  4. エバックアップをクラウドストレージへ自動で同期する。

    誤り。別の場所に置けば、建物ごとの被害には備えられます。 しかし同期は元の変更をそのまま写すので、削除や暗号化も反映されます。 同じ権限で同期先を操作できれば、そちらも消されます。

理解を深めるために

合鍵を持っていても開かない金庫

近年のランサムウェア攻撃では、攻撃者が業務データを暗号化する前に、まずバックアップを探して消します。 バックアップから戻されると、身代金を払わせられないからです。 管理者の権限を奪われていれば、普通のバックアップは「消す操作」を止められません。

イミュータブルバックアップは、いわば期限が来るまで誰にも開けられない金庫です。 合鍵(管理者の権限)を持っていても、設定した保存期間が過ぎるまで中身を書き換えたり捨てたりできません。

なぜ権限を奪われても残るのか

  • 普通のバックアップは、権限さえあれば削除や上書きができる
  • 攻撃者が管理者の権限を奪うと、正規の管理者と同じ操作ができる
  • イミュータブルバックアップは、保存期間中の変更や削除を仕組みとして受け付けない。 権限の強さに関係なく、決めた期間はそのまま残る

バックアップの「数」や「場所」を増やす対策は、権限を奪われた状況では一度に消されることがあります。 3-2-1ルールで数と場所を整え、そのうえで削除できない保存を組み合わせると、復旧できる見込みが高まります。

混同しやすいものとの違い

対策 何に備えるか 管理者の権限を奪われたとき
イミュータブルバックアップ バックアップの削除・改ざん 期間中は消せない
バックアップの暗号化 持ち出されたときの情報漏えい 削除はできる
取得頻度・世代数の増加 戻せる時点の選択肢 全世代をまとめて消せる
クラウドへの自動同期 建物ごとの被害 削除や暗号化も同期される

試験では、対策が「読まれない」「数を持つ」「離れた所に置く」「消せない」のどれに当たるかで見分けます。 権限を奪われる前提なら、消せない保存を選びます。

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