正解:エ
各選択肢の解説
ア容量を節約するため、ログインに失敗した記録だけを残し、成功した記録は残さない。
誤り。失敗の記録は総当たりなどの試行に気付くには役立ちますが、 盗んだパスワードによる不正ログインや内部不正は「成功」として記録されます。 成功を残さなければ、誰が実際に入って何をしたかを後から追えません。
イシステム管理者は信頼できる立場なので、管理者による操作は記録の対象から外す。
誤り。管理者は広い権限を持つので、悪用されたときや乗っ取られたときの被害が最も大きくなります。 特権の操作こそ記録し、本人以外が確かめられるようにしておくのが内部不正対策の基本です。
ウ後で困らないよう、画面に表示した顧客情報の中身も含め、扱った情報をすべて記録する。
誤り。何でも残すと、ログ自体が顧客情報の複製になり、新たな漏えいの元になります。 量が増えて見るべき記録が埋もれ、容量の都合で保存期間も短くなりがちです。 取得範囲は目的から絞り込むものです。
エ後で確かめたい事象から逆算し、管理者を含む全利用者の誰が・いつ・どのデータに何をしたかを成否とも残す。
正解。取得範囲は「何が起きたら、何を確かめたいか」から決めます。 操作した人・時刻・対象・操作内容と成否がそろえば、不正の有無と範囲を後から追えます。
理解を深めるために
ログは「後で答えたい質問」から決める
事件が起きたとき、調査で聞かれるのは「誰が、いつ、何に、何をしたのか。それは成功したのか」です。 取得範囲を決めるとは、この質問に答えられる材料を前もって残しておくことです。 答えに使わない情報まで残しても、調査は楽になりません。
なぜ「全部」でも「最小限」でもないのか
- 失敗だけを残すと、正しいパスワードで入った不正(盗用・内部不正)が見えない
- 管理者を外すと、最も被害の大きい特権の悪用が見えない
- 中身まで全部残すと、ログが機密情報の置き場になり、守る対象が増える
- 量が増えれば容量を圧迫し、保存期間を短くせざるを得なくなる
記録する項目の基本は、利用者(ID)・時刻・対象(どのデータか)・操作の種類・成否です。 顧客情報そのものではなく、顧客情報に対して行われた操作を記録します。
混同しやすいものとの違い
| 決め方 | 何が起きるか |
|---|---|
| 確かめたい事象から逆算する | 不正の有無と範囲を後から追える |
| 失敗だけを残す | 成功した不正ログインが見えない |
| 管理者を対象外にする | 特権の悪用が見えない |
| 中身まですべて残す | ログ自体が漏えいの元になり、記録が埋もれる |
試験では「容量を節約するため」「信頼できるから」「念のため全部」といった理由づけが出たら、 目的から外れていないかを確かめます。