問題 68★★★

工場の検査装置を制御するPCのOSが、サポートを終了した。 装置メーカーは新しいOSでの動作を保証しておらず、装置の更新は来年度の予定である。 それまでの対応として最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. アPCの通信を必要な相手だけに限って攻撃される経路を減らし、移行の計画を進める。

    正解。サポートが終わったOSには、新しい脆弱性が見つかっても修正プログラムが出ません。 塞げない弱点が増え続ける前提で、ネットワークから切り離すか通信を絞って攻撃の経路を減らし、 サポートのある環境への移行を計画どおり進めます。

  2. イ最後に提供された修正プログラムまで適用済みなので、追加の対応はいらない。

    誤り。適用済みなのは、サポート終了までに見つかった脆弱性の分だけです。 これから見つかる脆弱性には修正プログラムが提供されないので、時間がたつほど 塞げない弱点が増えます。過去の適用状況は今後の安全を示しません。

  3. ウマルウェア定義ファイルを毎日更新し、修正プログラムが出ない分の代わりにする。

    誤り。マルウェア対策ソフトは既知のマルウェアを見つける仕組みで、OSの脆弱性そのものは 塞ぎません。脆弱性を突く通信や、定義ファイルに載っていない攻撃は防げないので、 修正プログラムの代わりにはなりません。重ねて行う対策の一つです。

  4. エ新しい脆弱性が公表され、攻撃が確認された時点で、対応の要否を判断する。

    誤り。サポート終了後は、脆弱性が公表されても修正プログラムが出ないので、 その時点で取れる手は限られます。攻撃が確認されてからでは、通信を絞る準備も 移行も間に合いません。塞げないと分かっている今のうちに手を打ちます。

理解を深めるために

「直してもらえない家」に住み続ける期間

サポートが終わったOSは、修理業者が来なくなった家のようなものです。これまでに壊れた所は 直してありますが、これから見つかる鍵の不具合は誰も直してくれません。 すぐに引っ越せないなら、出入口を減らして、引っ越しの日取りを決めるしかありません。

脆弱性管理の前提が崩れる

ふだんの脆弱性管理は、脆弱性情報を集め、修正プログラム(セキュリティパッチ)や OSアップデートを適用して塞ぐ流れです。サポート終了後はこの「適用して塞ぐ」ができません。

  • 脆弱性情報の収集は続ける。塞げない弱点を把握し、影響を見積もるため
  • ネットワークから切り離す、または必要な通信の相手とポートだけを許可して、攻撃の経路を減らす
  • USBメモリなど、ネットワーク以外の持ち込み経路も管理する
  • 装置の更新時期に合わせ、サポートのある環境への移行を計画として確定させる

工場の装置のように、メーカーの動作保証の都合ですぐにOSを変えられない場面は珍しくありません。 その場合でも「使い続けるなら何で守るか」と「いつ終わらせるか」の両方を決めておきます。

混同しやすいものとの違い

対応 新しい脆弱性への効き目 評価
通信を絞り、移行を計画する 攻撃の経路を減らす 塞げない前提での対応
過去の修正プログラムの適用 効かない(新しい分は塞げない) 前提の誤り
定義ファイルの毎日更新 脆弱性は塞がない 補助の対策
公表・攻撃確認後に判断 打てる手が残っていない 後手

サポート終了の問題では、「修正プログラムがもう出ない」ことを起点に考えると、 適用以外の手段で守る選択肢が残ります。

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