問題 50★★☆

ランサムウェアに感染したときの対応手順を新たに定めた。業務システムには手を触れずに、 関係部門の役割分担や判断の流れ、連絡先に抜けがないかを確かめたい。 このとき実施する訓練として最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア想定した事態の流れに沿って関係者が集まり、誰が何を判断するかを話し合う。

    正解。これが机上演習です。システムを動かさずに、場面ごとの判断者・連絡先・ 次の行動を順にたどるので、手順書の抜けや部門間の受け渡しの食い違いが見つかります。

  2. イ社員に疑似の攻撃メールを送り、開かずに窓口へ報告できるかを確かめる。

    誤り。これは標的型メール訓練です。確かめられるのは、メールを受け取った一人ひとりの 見抜く力と報告の行動です。感染が分かった後に部門どうしがどう動くかは試せません。

  3. ウ代替のサーバにバックアップを実際に復元し、業務の再開までの時間を計る。

    誤り。これは復旧の手順を実機で確かめる訓練です。目標時間内に戻せるかは分かりますが、 システムを実際に操作するうえ、誰が判断し誰に連絡するかという流れの確認には向きません。

  4. エ外部の専門家に実際に侵入を試みてもらい、システムの弱点を洗い出す。

    誤り。これはペネトレーションテストで、調べる対象はシステムの技術的な弱点です。 感染した後の組織の動き方、つまり手順や役割分担に抜けがあるかは対象外です。

理解を深めるために

机上演習は「手順書を声に出して通しで動かす」訓練

新しい手順書は、書いた人の頭の中ではつながっていても、実際に使うと 「この時点で業務を止める判断は誰がするのか」「広報にはいつ知らせるのか」といった 穴が見つかります。机上演習は、関係者が一つの部屋(やオンライン会議)に集まり、 「月曜の朝、ファイルが開けないと連絡が来た」のような想定を進行役が順に出していき、 各場面で誰が何を判断し、誰に連絡するかを話し合いながらたどる訓練です。

机上演習が向いている理由

  • システムを動かさないので、業務を止めずに実施できる
  • 確かめる対象が、技術ではなく人と組織の動き(役割・判断・連絡)である
  • 手順書の抜け、部門間の受け渡しの食い違い、古い連絡先などがその場で見つかる

一方、実機での復元時間のような「実際にやってみないと分からないこと」は確かめられません。 目的に合わせて訓練を選ぶことが大切です。

混同しやすい訓練・検査との違い

訓練・検査 確かめるもの
机上演習 役割分担・判断の流れ・連絡体制
標的型メール訓練 個人の見抜く力と報告の行動
実機での復旧訓練 実際に戻せるか、どれだけ時間がかかるか
ペネトレーションテスト システムの技術的な弱点

「誰が」「どう判断するか」を確かめたいなら机上演習、と目的から選びます。

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