正解:ウ
各選択肢の解説
アランダム性をさらに低く設定し、出力の揺れをもう一段小さくする。
誤り。ランダム性の制御は、出力の揺れ幅を調整するものです。すでに毎回同じ区分が 返っており、揺れは残っていません。誤りが毎回同じに出るのは、揺れではなく 判断の基準そのものがずれているためで、この設定では直りません。
イランダム性を高くして何回か出力させ、最も多く出た区分を採用する。
誤り。毎回同じ区分を選ぶほど判断が偏っている報告は、揺れを足しても 同じ誤りが多数を占めやすく、多数決では正せません。そのうえ、 せっかく得た「同じ報告には同じ区分」という再現性を手放すことになります。
ウ各区分の定義と、迷いやすい報告の判断例を指示文に加えて示す。
正解。プロンプトエンジニアリングです。毎回同じ誤りが出るのは、区分の境目を AIが当社の意図どおりに理解していないためです。定義と判断例を示せば、 判断の基準そのものを直せます。
エ誤った区分が出た報告は、新しい会話を開いて同じ文面で入力し直す。
誤り。直前のやり取りが影響していると考えた対処ですが、区分の定義をAIが 知らないことが原因なので、会話をやり直しても同じ判断が返ります。 ランダム性が低い設定では、なおさら同じ結果になります。
理解を深めるために
「毎回違う」と「毎回同じように間違う」は別の病気
的当てにたとえると分かりやすくなります。矢が的の周りに散らばるなら、 腕の震え(揺れ)を抑えれば当たるようになります。一方、矢が毎回同じ所に集まっているのに 中心から外れているなら、震えではなく狙いがずれています。狙いを直さない限り、 何本射っても同じ所に刺さります。
生成AIでも同じです。ランダム性の制御が効くのは前者の「揺れ」で、 後者の「狙いのずれ」には、指示の中身を直すプロンプトエンジニアリングが効きます。
なぜ指示文を直すのか
この場面では、ランダム性を下げたことで揺れは消えています。それでも同じ報告が 毎回同じ誤った区分になるのは、AIが区分の境目を当社の意図どおりに捉えていないからです。
- 区分ごとの定義(どの報告をどこに入れるか)を書く
- 迷いやすい報告について、正しい振り分けの例を添える
こうして判断の基準そのものをAIに渡すと、狙いが直ります。ランダム性は低いままにしておけば、 直した基準で毎回同じ区分を返すので、見直しの効果も確かめやすくなります。 ただし、それでも誤りがゼロになる保証はないので、振り分け結果を人が点検する手順は残します。
混同しやすいものとの違い
| 見直し方 | 効く症状 | この場面で効くか |
|---|---|---|
| 定義と判断例を指示文で示す | 毎回同じように誤る(基準のずれ) | 効く |
| ランダム性をさらに下げる | 出力が毎回揺れる | 揺れはもう無いので効かない |
| ランダム性を上げて多数決 | 偶然の誤りが混じる | 偏った誤りは多数になりやすい |
| 会話をやり直す | 直前のやり取りに引きずられる | 原因が違うので効かない |
試験では、出力の問題が「ばらつき」なのか「一貫した誤り」なのかを先に見分けます。 ばらつきならランダム性、一貫した誤りなら指示の中身を疑います。