問題 9★★☆

情報セキュリティ部門は、過去1年分の問い合わせをもとに、①まだ決まっていない問い合わせの 区分を、内容の似たものをまとめて見つけ、②決めた区分を付けた過去の問い合わせを使い、 新しい問い合わせを自動で振り分けたい。①②に適した手法の組合せはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア①は教師なし学習によるグルーピング、②は教師あり学習による予測。

    正解。①は区分という正解がまだ無いので、似たもの同士をまとめる教師なし学習が合います。 ②は区分を付けたデータが手に入った後なので、それを正解として学ぶ教師あり学習が合います。

  2. イ①は教師あり学習による予測、②は教師なし学習によるグルーピング。

    誤り。順序が逆です。教師あり学習は正解の付いたデータから学ぶので、 区分がまだ決まっていない①では学ぶ材料がありません。②で教師なし学習を使うと、 決めた区分とは関係なく、似たもの同士の新しいまとまりが作られるだけです。

  3. ウ①は教師なし学習によるグルーピング、②は強化学習による支援。

    誤り。①は合っていますが、②が違います。強化学習は、行動の結果に評価を返して よりよい行動の選び方を学ぶ手法です。区分の付いた過去データがそろっている②は、 その区分を正解として学ぶ教師あり学習の場面です。

  4. エ①は強化学習による支援、②は教師あり学習による予測。

    誤り。②は合っていますが、①が違います。強化学習は試行と評価を繰り返して 行動を改善する手法で、データの中から似たもののまとまりを見つける用途ではありません。 区分の候補を見つけるのは、教師なし学習の役目です。

理解を深めるために

正解があるかどうかで、手法が切り替わる

郵便物の仕分けを初めて任されたとします。最初は仕分け先の箱が決まっていないので、 届いた郵便物を眺めて「請求書っぽいもの」「広告っぽいもの」と山に分け、そこから箱を決めます。 箱が決まり、どの郵便物をどの箱に入れたかの記録がたまれば、次からはその記録を手本に 新しい郵便物を素早く振り分けられます。

前半が教師なし学習によるグルーピング、後半が教師あり学習による予測にあたります。

なぜ段階で手法が変わるのか

2つの手法を分けるのは、正解(ここでは区分)の付いたデータがあるかどうかです。

  • ①の時点では区分が無い → 内容の似たものをまとめ、区分の候補を見つける(教師なし)
  • 人がまとまりを確かめて区分を決め、過去の問い合わせに付ける
  • ②の時点では区分付きのデータがある → それを正解として学び、新しい問い合わせを振り分ける(教師あり)

教師なし学習が出すのは「似ているもののまとまり」で、そのまとまりにどんな名前を付けるか、 区分として採用するかは人が決めます。この人の作業が、2つの段階をつないでいます。

混同しやすいものとの違い

手法 学ぶ材料 向いている目的
教師なし学習によるグルーピング 正解の無いデータ 似たもののまとまりを見つける
教師あり学習による予測 正解の付いたデータ 新しいデータの区分や値を当てる
強化学習による支援 行動の結果に対する評価 よりよい行動の選び方を身に付ける

試験では、場面の中で「正解の付いたデータがもうあるか」を探します。 同じ業務でも、区分を決める前と後では使う手法が変わります。

前の問題へ次の問題へ