正解:ウ
各選択肢の解説
ア判定結果は使わず、内容の似たメールどうしをまとめて、まとまりごとの傾向をつかむ。
誤り。これは教師なし学習によるグルーピングです。似たもの同士に分けることは できますが、どのまとまりが攻撃なのかは教えてくれません。手元にある判定結果を 使わないので、せっかくの記録が生きません。
イ隔離・通知・削除などの対応の選び方を、結果の良し悪しを手がかりに試行錯誤で学ばせる。
誤り。これは強化学習による支援の考え方です。行動を選んで評価を受け、それを 繰り返して良い選び方を身につけます。目的が振り分けとずれており、 「攻撃か正常か」という判定結果の記録も使っていません。
ウ判定結果の付いたメールを学習させ、新たに届くメールが攻撃か正常かを予測させる。
正解。過去の判定結果が「正解」として付いたデータで学ばせ、新しいメールの 判定を予測させるのが教師あり学習による予測です。記録をそのまま学習の材料にできます。
エ生成AIに過去の攻撃メールを読ませて、訓練用の攻撃メールの文面を新たに作らせる。
誤り。これは生成AIによる文章の生成で、新しい文面を作る使い方です。 判別・予測を行う識別AIとは目的が違い、届いたメールの振り分けには つながりません。訓練の教材づくりなら別の目的として成り立ちます。
理解を深めるために
「正解の付いた過去」があれば、教師あり学習
担当者が1通ずつ「これは攻撃」「これは正常」と判定してきた記録は、AIにとっては 答え合わせ付きの問題集です。問題集で練習した生徒が初めての問題にも答えられるように、 判定結果付きのメールで学んだAIは、新しく届いたメールが攻撃か正常かを予測できます。
なぜ教師あり学習が合うのか
識別AIの使い方は、手元のデータに「正解」が付いているか、何をしたいのかで選びます。
- 正解(判定結果)付きのデータがあり、新しいものを同じ基準で判定したい → 教師あり学習による予測
- 正解は無いが、データを似たもの同士に分けて全体像をつかみたい → 教師なし学習によるグルーピング
- 行動を選び、その結果の評価を手がかりに選び方を改善したい → 強化学習による支援
今回は判定結果の記録があり、目的は「攻撃か正常か」の振り分けなので、教師あり学習が素直に合います。 ただし、予測は過去の傾向に基づくため、手口の変わった新しい攻撃メールを見逃すことや、 正常なメールを誤って疑うことがあります。振り分け結果は担当者が確かめる運用と組み合わせます。
混同しやすいものとの違い
| 使い方 | 何をするか | 判定結果の記録を使うか |
|---|---|---|
| 教師あり学習による予測 | 正解付きデータで学び、新しいデータを判定する | 使う |
| 教師なし学習によるグルーピング | 似たもの同士に分ける。何のまとまりかは人が解釈する | 使わない |
| 強化学習による支援 | 行動の結果の評価を手がかりに選び方を改善する | 使わない |
| 生成AIによる文章の生成 | 新しい文面を作る | 使わない |
試験では、まず「正解の付いたデータがあるか」、次に「判定したいのか、分けたいのか、 行動を改善したいのか、作りたいのか」を見ると使い方を選べます。