正解:ア
各選択肢の解説
アコーポレートガバナンス
正解。見直しの対象は経営陣そのものです。経営陣から独立した者が経営陣を選び、評価し、 報酬を決めることで、経営陣の判断を外から監督できるようにしています。
イ内部統制報告制度
誤り。内部統制報告制度は、経営者が財務報告に係る内部統制を自ら評価して報告し、監査人がそれを監査する制度です。 「統制」の語で混同しますが、内部統制は経営者が組織を律する仕組みで、 この問題の見直しは経営者を律する側です。
ウコンプライアンス
誤り。コンプライアンスは、役員や従業員が法令や社内規程、社会の規範に沿って行動することです。 報告しなかったこと自体は規範に反しますが、この見直しは行動のきまりを足すのではなく、 経営陣を監督する体制を変えています。
エリスクマネジメント
誤り。リスクマネジメントは、事故につながる要因を洗い出し、影響と起こりやすさで評価して対応を決める活動です。 情報漏えいがきっかけなので結び付けたくなりますが、この見直しはリスクの評価ではなく、 経営陣を誰がどう選び評価するかを変えています。
理解を深めるために
経営者を律する仕組みが、コーポレートガバナンス
会社の中では、経営陣が業務を指揮し、従業員がそれに従って動きます。 では、その経営陣が判断を誤ったり、都合の悪い事実を隠したりしたとき、誰が止めるのでしょうか。 経営陣の部下には止めにくいので、経営陣から独立した立場の者が監督する仕組みが要ります。 これがコーポレートガバナンス(企業統治)です。
なぜこの見直しがコーポレートガバナンスにあたるのか
この会社の問題は、経営陣が事故を取締役会に報告しなかったことでした。 見直しでは次の2つを変えています。
- 経営陣から独立した社外取締役を増やし、経営陣の判断を監督する目を強めた
- 経営陣の選任・解任と報酬を、社外取締役が中心の委員会で決めるようにした
経営陣を選び、評価し、報酬を決める権限を経営陣自身から切り離すことで、 「隠せば済む」という判断をしにくくしています。株主などの利害関係者に代わって 経営陣を監督する体制を作り直したので、コーポレートガバナンスの強化です。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 誰が・何を律するか |
|---|---|
| コーポレートガバナンス | 経営陣から独立した者が、経営陣を監督する |
| 内部統制報告制度 | 経営者が、財務報告に係る内部統制を評価して報告する |
| コンプライアンス | 役員や従業員が、法令や規程、社会の規範に沿って行動する |
| リスクマネジメント | 組織が、リスクを洗い出して評価し対応を決める |
内部統制(その報告制度を含む)とコーポレートガバナンスは、律する向きで見分けます。 経営者が組織を律するのが内部統制、経営者が律せられるのがコーポレートガバナンスです。 対策の対象が経営陣そのもの(選び方・評価・報酬・監督)なら、コーポレートガバナンスと判断できます。