正解:ウ
各選択肢の解説
ア最高情報セキュリティ責任者(CISO)
誤り。CISOは、情報資産を漏えい・改ざん・停止から守る対策を全社で統括する役員です。 この案で論点になっているのは守り方ではなく、守った上で「その使い方をしてよいか」です。 安全に管理できることと、使い方が本人の期待に沿うことは別の問題です。
イ最高デジタル責任者(CDO)
誤り。CDOは、デジタル技術を使った事業や業務の変革を推進する役員です。 データを生かした新事業を進める側に立つので、使い方の是非を推進とは別の立場から 判断する役割にはあたりません。
ウ最高プライバシー責任者(CPO)
正解。CPOは、個人に関わるデータの取扱いが本人のプライバシーを損なわないかを 全社の立場で判断する役員です。安全管理とは別に「その使い方は許されるか」を問う この場面の責任者です。
エ最高情報責任者(CIO)
誤り。CIOは、情報システムやIT投資の方針を経営の立場で決める役員です。 新事業を支えるシステムの整備には関わりますが、顧客のデータをどう使ってよいかという プライバシーの判断は担当分野が違います。
理解を深めるために
「安全に守れるか」と「使ってよいか」は別の問い
金庫に厳重にしまった日記でも、持ち主の許しなく中身を読んで商売に使えば問題になります。 金庫の頑丈さ(セキュリティ)と、中身をどう使うか(プライバシー)は別の問いです。 この場面では、暗号化とアクセス制限で前者は片づいていますが、 購買履歴から健康状態を推し量って広告に使うことが顧客に受け入れられるか、という後者が残っています。
CxOの担当分野は「何に責任を持つか」で分かれる
- CPO(最高プライバシー責任者): 個人に関わるデータの取扱いが本人の権利や期待を損なわないかを、 全社の立場で判断する。法令に違反しないかに加え、本人が想定しない使い方で信頼を失わないかも見る
- CISO(最高情報セキュリティ責任者): 情報資産の機密性・完全性・可用性を守る方針と対策を統括する
- CDO(最高デジタル責任者): デジタル技術による事業や業務の変革を推進する
- CIO(最高情報責任者): 情報システムやIT投資の方針を経営の立場で決める
情報セキュリティの担当者は、プライバシーの問題を「暗号化しているから大丈夫」と セキュリティの問題に置き換えてしまいがちです。データの使い方そのものが問われているときは、 セキュリティの対策だけでは答えにならず、プライバシーの判断を担う役員に上げる必要があります。
混同しやすいものとの違い
| 役員 | 責任を持つ対象 | この場面での位置 |
|---|---|---|
| CPO | 個人に関わるデータの使い方の是非 | 論点そのもの |
| CISO | 情報資産を守る対策 | 安全管理は解決済み |
| CDO | デジタルによる事業変革の推進 | 新事業を進める側 |
| CIO | 情報システムとIT投資 | 基盤の整備を担う |
問題文に「安全に管理できる」と書かれていたら、論点はセキュリティの外にあります。 守り方か使い方かで、責任者を見分けます。