正解:エ
各選択肢の解説
ア最高経営責任者(CEO)
誤り。CEOは経営全体に最終的な責任を負う役員です。事業の変革も最終的には 経営者の判断ですが、問題文は特定の取組みを主導する役員を新たに置く場面です。 全体の責任者と、分野を任される責任者は層が違います。
イ最高情報セキュリティ責任者(CISO)
誤り。CISOは全社の情報セキュリティ対策を統括する役員です。 販売のデジタル化では新たな守るべき情報も生まれますが、 CISOが担うのは守り方であり、事業の進め方を変える取組みの主導ではありません。
ウ最高情報責任者(CIO)
誤り。CIOは情報システムやIT投資の方針を経営の立場で決める役員で、 問題文の「基幹システムの運用とIT投資の管理を担う役員」にあたります。 どちらもITを扱うため混同されますが、CIOは仕組みを整える側、変革の主導は別の役員です。
エ最高デジタル責任者(CDO)
正解。CDOはデジタル技術を使って事業や業務の進め方を変える取組みを全社で 推進する役員です。既存のシステムを支えることではなく、事業の変革が担当です。
理解を深めるために
「道具を整える人」と「やり方を変える人」
店で言えば、レジや在庫管理の機械を選んで動かし続けるのが一人、 その機械を使って「来店を待つ商売から、注文をネットで受けて届ける商売に変えよう」と 旗を振るのがもう一人です。前者がCIO、後者がCDOにあたります。
CIOとCDOが分けて置かれる理由
- CIOは情報システムの整備・運用やIT投資の方針に責任を持つ。 既存のシステムを安定して動かし、投資の効果を管理する役割が中心になる
- CDOはデジタル技術を手段に、販売方法や業務の流れ、事業のモデルを変える取組みを推進する。 システム部門の外、営業や製造などの部門を巻き込んで進める役割である
- 両方を一人に持たせると、日々の安定運用と、既存のやり方を変える取組みの間で 優先順位が揺れやすい。そこで役員を分ける会社がある
なお、どの役員を置くか、どこまでを担当させるかは会社ごとに決めるもので、 法律で定まった役職ではありません。試験では、それぞれの役員が何に責任を持つかの 一般的な区別が問われます。
混同しやすいものとの違い
| 役員 | 責任を持つ対象 | この場面での位置 |
|---|---|---|
| CDO | デジタルによる事業・業務の変革 | 新たに置く役員 |
| CIO | 情報システムとIT投資 | すでにいる役員 |
| CISO | 情報セキュリティ対策の統括 | 変革に伴う守りを担う |
| CEO | 経営全体の最終責任 | 各役員を任命する側 |
問題文に「事業の進め方を変える」「全社で主導する」とあればCDO、 「システムの運用」「IT投資」とあればCIOと読み分けます。