正解:イ
各選択肢の解説
ア点検の頻度を年1回から四半期ごとに増やし、不備を早く見つけられるようにする。
誤り。点検(Check)を増やす案です。見つける回数が増えても、見つけた不備を 直す仕組みがなければ、同じ指摘が年4回に増えるだけです。この部門は不備を 見つけられていないのではなく、見つけた後で止まっています。
イ指摘された不備の原因を分析し、是正した内容を次年度の計画に反映する。
正解。欠けているのは、点検で見つかった不備の原因を取り除き、次の計画に つなげるAct(処置・改善)です。これがないとPDCAは回らず、同じ計画を繰り返します。
ウ対策の実施状況を担当者ごとに記録させ、期日を守るように徹底させる。
誤り。実行(Do)を引き締める案です。問題文では対策は期日内に実施されているので、 実行の管理を強めても状況は変わりません。計画した内容そのものが前年と同じで、 不備の原因に手が打たれていないことが問題です。
エ計画書の様式を統一し、目標と担当と期限を漏れなく書かせるようにする。
誤り。計画(Plan)の書き方を整える案です。様式が整っても、書き込む中身が 前年と同じであれば不備は繰り返されます。計画の形式ではなく、点検の結果が 計画の中身に反映されていないことが問題です。
理解を深めるために
点検しても直さなければ、輪は閉じない
毎年の健康診断で同じ「要再検査」が出ているのに、生活を何も変えずに翌年を迎える人を 想像してください。検査の回数を増やしても、毎日決まった時間に寝る習慣を続けても、 結果は変わりません。足りないのは、結果を受けて原因を探り、生活を変えることです。
この部門も同じで、計画・実行・点検までは回っていますが、点検の結果が次の計画に 戻っていません。PDCAのAct(処置・改善)が抜けているため、輪が閉じずに 同じ計画が繰り返されています。
Actが担うつなぎの役割
- Checkで見つかった不備について、なぜ起きたのか原因を分析する
- 原因を取り除く是正を行い、再発しないように手順や仕組みを見直す
- 見直した内容を次のPlanに反映し、次のサイクルを一段上の状態から始める
PDCAは4つの段階を「やっている」だけでは機能しません。Actで点検の結果が計画に戻ることで、 初めて継続的な改善になります。情報セキュリティマネジメントで監査の指摘を受けたときも、 指摘への対応で終えずに、原因に手を打って次の計画に織り込むことが求められます。
混同しやすいものとの違い
| 改善策 | 手を入れる段階 | この部門に効くか |
|---|---|---|
| 原因を分析し、是正を次の計画に反映 | Act | 欠けている段階を埋める |
| 点検の頻度を増やす | Check | 見つけた後の処置がないまま |
| 期日の遵守を徹底する | Do | すでに期日内に実施している |
| 計画書の様式を統一する | Plan | 中身が前年と同じまま |
問題文で「すでにできていること」を確かめ、残った段階を選ぶのが見分け方です。