正解:エ
各選択肢の解説
アインターネットVPNの暗号方式を、より強度の高いものに変更する。
誤り。暗号を強くすれば盗み見への耐性は上がりますが、通信が通る経路は インターネットのままです。「VPNだから閉じた網を通る」という誤解から選びやすい選択肢で、 契約が求めているのは暗号の強さではなく経路です。
イ拠点間のファイルのやり取りを、HTTPSで接続するオンラインストレージに切り替える。
誤り。HTTPSは通信をTLSで暗号化しますが、オンラインストレージへは インターネットを通ってつなぎます。暗号化されることと、インターネットを経由しないことは 別の条件です。
ウ工場のルータでインターネット宛ての通信を遮断し、本社とのVPN通信だけを許可する。
誤り。インターネットVPNは、インターネットの上に暗号化した通り道を作る方式です。 他の宛先を遮断しても、本社とのVPN通信そのものがインターネットを通るので、 条件を満たしません。
エ通信事業者が提供するIP-VPNに切り替え、事業者の閉域網で拠点間を結ぶ。
正解。IP-VPNは、通信事業者が契約者だけに提供する閉じたネットワーク(閉域網)を 使って拠点間を結ぶので、通信がインターネットを経由しません。
理解を深めるために
公道を走る装甲車か、私道を走る車か
インターネットVPNは、誰でも通る公道(インターネット)の上を、中が見えない装甲車 (暗号化した通り道)で走るような方式です。中身は守られますが、走っている道は公道です。 IP-VPNは、通信事業者が契約者のために用意した私道(閉域網)を走る方式で、 そもそも公道に出ません。
なぜ暗号化しても条件を満たさないのか
取引先が求めているのは「インターネットを経由しないこと」、つまり経路の条件です。 暗号の強さや、通す宛先の絞り込みは、通信の中身や範囲を守る対策で、経路は変わりません。
- インターネットVPN: 各拠点の既存のインターネット回線を使えるので費用を抑えやすい。 インターネットを通るため、IPsecなどによる暗号化が欠かせない
- IP-VPN: 通信事業者の閉域網を使うので、インターネット上の不特定の相手から切り離される。 事業者との契約が要り、費用は一般にインターネットVPNより高い
どちらを選ぶかは、費用だけでなく、契約や扱う情報が求める条件で決めます。
混同しやすいものとの違い
| 方式・対策 | 通る経路 | 守るもの |
|---|---|---|
| IP-VPN | 通信事業者の閉域網 | 経路をインターネットから切り離す |
| インターネットVPN | インターネット | 暗号化で中身を守る |
| HTTPS(オンラインストレージ) | インターネット | Webとの通信の中身を暗号化する |
| ルータでの宛先の遮断 | 変わらない | 通信できる相手を絞る |
試験では「暗号化されているか」と「どの網を通るか」を分けて読めるかが問われます。 条件が経路なら、閉域網を使う方式を選びます。