問題 7★★☆

社用PCは、社内LANのファイアウォールとURLフィルタリングを経由してインターネットに出る 決まりである。社内で、私物スマートフォンのテザリングに社用PCをつないでいる社員がいた。 セキュリティ上の問題点として、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア社内LANの対策を通らずにインターネットとつながる、組織の管理が及ばない経路ができる。

    正解。テザリングではスマートフォンの携帯電話回線(LTEや5G)が出口になるので、 社用PCの通信は社内LANのファイアウォールやURLフィルタリングを通らなくなります。

  2. イスマートフォンが社内の無線LANアクセスポイントに接続され、社内LANの帯域を圧迫する。

    誤り。テザリングは、スマートフォン自身の携帯電話回線を他の機器に使わせる機能です。 社内の無線LANにつなぐのとは向きが逆で、社内LANを通らないことこそが問題になります。

  3. ウ5Gは通信事業者の閉じた網の中で完結するので、社外との通信ができず業務が止まる。

    誤り。5GやLTEは携帯電話の通信方式で、通信事業者の設備を通ってインターネットにも出られます。 閉じた網で外とつながらないという理解は誤りで、むしろ社外と自由につながる点が問題です。

  4. エ社内LANのファイアウォールの規則がスマートフォンにも適用され、必要なサイトが見られなくなる。

    誤り。社内LANの規則が効くのは、社内LANを通る通信だけです。テザリング中の社用PCの通信は 携帯電話回線から直接出るので、規則はかかりません。問題は「かかりすぎ」ではなく「かからない」ことです。

理解を深めるために

正門を通らない裏口ができる

会社の建物に入るには受付(正門)を通る決まりがあるのに、誰かが窓に梯子を掛けて 出入りしていたら、受付のチェックは意味をなしません。テザリングで社用PCを インターネットにつなぐのは、ネットワークでこれと同じことをしている状態です。

なぜ社内の対策が効かなくなるのか

社内LANのファイアウォールやURLフィルタリングは、社内LANとインターネットの境目に置かれ、 そこを通る通信だけを見張ります。テザリングでは、スマートフォンがLTEや5Gの携帯電話回線を 使って中継役になり、社用PCはその回線から直接インターネットに出ます。

  • 危険なサイトへの接続を止めるURLフィルタリングがかからない
  • 社外への不審な通信を止めるファイアウォールがかからない
  • 通信の記録(ログ)が組織に残らず、事故の調査ができない

対策は、社用PCで許可しない接続(スマートフォンのテザリングなど)を技術的に制限することと、 社内ルールで禁止し理由を周知することの組合せです。

混同しやすいものとの違い

用語・接続 何をするものか
テザリング スマートフォンの携帯電話回線を、他の機器にも使わせる
社内の無線LAN 社内LANに無線でつなぐ。社内の対策を通ってインターネットに出る
LTE・5G 携帯電話の通信方式。通信事業者の設備からインターネットにも出られる
ファイアウォール 自分を通る通信だけを見張る。通らない経路には効かない

試験では、通信が「どこを出口にしているか」を追えるかが問われます。 出口が社内LANでなければ、社内LANの対策は効かないと考えます。

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