正解:エ
各選択肢の解説
アルータが社内のDNSサーバに入り込み、ドメイン名とIPアドレスの対応を書き換えた。
誤り。DNSはドメイン名をIPアドレスに変換する仕組みで、その対応表は社内のDNSサーバが持ちます。 つないだだけのルータが他のサーバの登録内容を書き換えることはありません。 名前解決の不具合と疑いやすいですが、ここで狂ったのは各PCに配られた設定のほうです。
イルータがファイル共有やWeb閲覧に使うポート番号を、初期設定で遮断した。
誤り。ルータのポート番号による遮断は、そのルータを通る通信にしか効きません。 社内のPCからファイルサーバへの通信は、本来は持ち込まれたルータを通らないので、 ルータの設定で遮断されることはありません。遮断を疑うなら、通信がどこを通るかから確かめます。
ウルータの無線LANに近隣の第三者が接続し、社内LANの通信量で回線がふさがった。
誤り。通信量で回線がふさがると、同じ回線を使うPCがそろって遅くなります。 一部のPCだけが社内のサーバにも外部にもまったくつながらないのは、 回線の混雑ではなく、そのPCの通信の設定が他と違うことを示しています。
エルータのDHCPサーバ機能が、社内と異なるIPアドレスや通信の出口をPCに割り当てた。
正解。家庭用ルータは、つながった機器にIPアドレスなどを配るDHCPサーバ機能が有効のまま 動くことが多くあります。社内のDHCPサーバより先に応答を受け取ったPCだけが誤った設定になり、 社内のどこにも届かなくなります。
理解を深めるために
住所を配る係が2人になった
DHCPは、ネットワークにつながった機器に「あなたのIPアドレスはこれ、外への出口(デフォルトゲートウェイ)はここ、 名前を調べる先(DNSサーバ)はここ」という設定をまとめて配る仕組みです。社内では本来、 決められたDHCPサーバ1台がこの係を務めています。そこへ家庭用ルータがつながると、配る係が2人になります。
なぜ「一部のPCだけ」なのか
PCは設定を受け取るとき「誰か設定をください」とLAN全体に呼びかけ、返ってきた応答を使います。
- 社内のDHCPサーバの応答を受け取ったPC: 社内の正しい設定になり、普段どおり使える
- 持ち込んだルータの応答を受け取ったPC: 家庭用の別のアドレスと、ルータ自身を出口とする設定になる
後者のPCは、社内のサーバとは別のネットワークにいる扱いになり、出口のルータも社内の外へは案内できません。 新しく電源を入れたPCや、設定の更新時期が来たPCから順に影響が出るため、一部だけが止まります。
情報セキュリティの面でも、許可のない機器を社内LANにつなぐと、PCの通信の出口や名前を調べる先を 勝手に変えられる危険があります。持込み機器の接続を禁じる規則は、こうした事態を防ぐためのものです。
混同しやすいものとの違い
| 疑った原因 | 実際はどうか |
|---|---|
| DHCPの誤った割当て | 応答を受け取ったPCだけが、社内と違うアドレス・出口になる |
| DNSの書換え | 名前とIPアドレスの対応表は社内のDNSサーバにあり、ルータは書き換えられない |
| ポート番号の遮断 | ルータを通らない社内の通信には効かない |
| 回線の混雑 | 全PCがそろって遅くなる。一部だけが完全に止まる症状と合わない |
試験では「一部だけ」「何かをつないだ直後」という手掛かりから、配られた設定の違いを疑えるかが問われます。