問題 26★★★

自社の会員向けWebサービスの弱点を攻撃者と同じ手法で探してもらうため、 外部のエシカルハッカーに調査を依頼する。依頼に当たって担当者が行うこととして、 最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア調べてよい対象・期間・手法と、見つけた弱点の報告先と扱いを、書面で取り決めてから始めてもらう。

    正解。エシカルハッカーが攻撃の手法を使えるのは、管理者の許可を得た範囲の中だけです。 範囲と結果の扱いを先に書面で決めることで、調査が正当な行為として成り立ちます。

  2. イ実際の攻撃に近づけるため対象を限定せず、委託先が運用する関連システムも自由に調べてもらう。

    誤り。委託先が運用するシステムは、自社だけでは調査を許可できません。権限のある者の 許可なく調べれば、不正アクセスに当たるおそれがあります。本物の攻撃者は範囲を 選びませんが、エシカルハッカーとの違いはまさに許可された範囲を守る点にあります。

  3. ウ弱点が本当に悪用できるかを示すため、見つけた弱点を使って会員データを実際に持ち出してもらう。

    誤り。悪用できることを示す必要はあっても、本物の会員データを持ち出させれば、 調査そのものが漏えいになります。確認の方法は事前に取り決め、実データを 必要以上に扱わないようにします。

  4. エほかの利用者に注意を促すため、見つけた弱点は修正前でも調査者のブログなどで公表してもらう。

    誤り。修正前に弱点を公表すると、攻撃者に手口を教えることになります。見つけた弱点は 依頼元に報告し、修正の後に必要な範囲で公表するのが原則です。注意喚起という目的が もっともらしいので選びやすい誤りです。

理解を深めるために

同じ技術でも「許可」があるかで別物になる

鍵屋が依頼を受けて家の鍵を開けるのと、空き巣が同じ道具で鍵を開けるのは、技術としては 同じです。違いは家の持ち主が頼んだかどうかです。エシカルハッカーも同じで、 攻撃者と同じ手法を使いますが、管理者の許可を得た範囲の中で、守る側のために使います。

依頼する側が決めておくこと

許可の範囲があいまいなまま始めると、調査者が善意で動いても、対象外のシステムに 触れたり、実データを扱いすぎたりします。依頼の前に、次のことを書面で取り決めます。

  • 調べてよい対象(ホスト名・URLなど)と、対象外のもの
  • 実施する期間と、使ってよい手法・使わない手法
  • 見つけた弱点の報告先、報告の方法、公表の扱い
  • 本番のサービスに影響が出たときの連絡と中止の手順

対象の決め方には注意が要ります。自社が権限を持たない委託先や他社のシステムは、 自社が頼んでも許可したことにはなりません。

混同しやすいものとの違い

依頼の仕方 問題点
範囲と結果の扱いを書面で取り決める (許可された調査として成り立つ)
対象を限定せず関連システムも調べさせる 許可できないシステムに触れる
実データを持ち出させて実証する 調査そのものが漏えいになる
修正前に弱点を公表させる 攻撃者に手口を教える

エシカルハッカーに関する問題では、腕前ではなく、許可・範囲・結果の扱いという 「守る側のルール」に沿っているかで選択肢を見分けてください。

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