問題 43★★☆

営業部の顧客管理システムでは、営業部長の承認を得てからアクセス権を付与している。 点検したところ、終了したプロジェクトの応援者や、契約が終わった委託先の要員の権限が 1年以上残っていた。再発防止策として最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア営業部長が定期的に権限の一覧を見直し、不要な権限を削除させる。

    正解。アクセス権は付与して終わりではなく、定期的に見直して不要になったものを外します。 業務の要否を判断できる営業部長が一覧を確認すれば、残った権限に気づけます。

  2. イ付与の申請に、営業部長に加えて情報システム部長の承認も必要にする。

    誤り。承認者を増やすと付与のときの審査は厳しくなりますが、問題は付与した後です。 付与の時点では正当だった権限が、プロジェクトや契約の終了で不要になったのに残っていました。 入口の審査と、その後の見直しは別の手続です。

  3. ウ利用者全員のパスワードに有効期限を設け、定期的に変更させる。

    誤り。これは認証情報の管理の話です。パスワードを変えさせても、権限そのものは残ります。 本人が変更すれば使い続けられるので、不要な権限が残る状態は解消しません。 本人確認の手段と、何をしてよいかの権限は分けて考えます。

  4. エ顧客管理システムへのアクセスの記録を取得し、一定期間保存する。

    誤り。ログ取得は、誰がいつアクセスしたかを後からたどるための対策です。 不要な権限が使われたときの調査には役立ちますが、権限が残ること自体は防げません。 記録を残すことと、権限を外すことは区別します。

理解を深めるために

合鍵は「渡したら終わり」ではない

工事の業者に事務所の合鍵を渡したら、工事が終わったときに返してもらいます。 返してもらう仕組みがなければ、合鍵は誰の手元にあるか分からなくなります。 システムのアクセス権も同じで、付与するときの承認だけでなく、不要になったら外す見直しが要ります。 JIS Q 27002 では、アクセス権は組織的管理策に含まれます。

アクセス権の管理は付与・見直し・削除まで

アクセス権の管理は、次の流れで回します。

  • 付与: 業務上の必要を確かめ、情報の管理責任者が承認してから与える
  • 見直し: 定期的に、また異動・契約終了などのときに、まだ必要かを確かめる
  • 削除・変更: 不要になった権限は外し、必要な範囲に絞り直す

この場面では付与の手続はできていましたが、見直しがありませんでした。 プロジェクトの終了や委託契約の終了は、情報システム部からは見えにくいことがあります。 業務の要否が分かる営業部長が一覧を確認すれば、残った権限に気づけます。

混同しやすい対策との違い

対策 働く時点 残った権限
権限の定期的な見直し 付与した後 見つけて外せる
承認者の追加 付与するとき 後で不要になったものは残る
パスワードの有効期限 ログインのたび 権限そのものは残る
アクセスの記録の取得 使われた後 調べられるが外せない

「付与のときは正しかった」という条件があれば、入口の審査ではなく、 その後の見直しが欠けていると判断できます。

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