問題 60★★☆

情報セキュリティ方針への違反が相次いだため、部門で懲戒手続を整えることになった。 手続の定め方として、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア違反の事実を確かめてから適用し、故意か過失か、初回か再発かで処分に段階を設け、事前に周知する。

    正解。懲戒手続は、あらかじめ定めて知らせておき、違反を確かめたうえで、 違反の重さや事情に応じて段階的に適用します。公正に扱われると従業員が 信頼できることが、抑止にもつながります。

  2. イ抑止の効果を高めるため、違反の内容や事情を問わず、すべて同じ重い処分とする。

    誤り。懲戒は違反の重さ、故意か過失か、初回か繰り返しか、必要な教育を受けていたか などを考えて段階的に行います。一律に重くすると処分が不公正になり、 軽い誤りを報告せずに隠す動きも招きます。

  3. ウ手続を知られると抜け道を探されるので、内容は従業員に知らせずに運用する。

    誤り。懲戒手続は、従業員にあらかじめ知らせておくことで、違反を思いとどまらせる 働きを持ちます。知らせずに運用すると抑止にならず、処分を受けた人にとっても 予測できない不公正な扱いになります。

  4. エ違反の疑いが報告された時点で、事実の確認を待たずに処分を決めて公表する。

    誤り。懲戒は、違反が実際にあったことを確かめてから始めます。疑いだけで 処分すると、違反していない人を罰するおそれがあります。迅速さより、 事実の確認と公正な扱いを優先します。

理解を深めるために

罰の重さより、公正さと予告が効く

試合のルールに反則と罰則が書かれていなければ、選手は何が許されないのかわかりません。 審判が気分で退場を命じれば、選手は審判を信用しなくなります。 懲戒手続も同じで、決めて知らせておくことと、事実を確かめて公正に適用することが要です。

懲戒手続に求められること

JIS Q 27002 の人的管理策「懲戒手続」は、方針に違反した人に対する手続を 正式に定め、周知しておくことを求めます。運用の要点は次のとおりです。

  • 違反があったことを確かめてから手続を始める
  • 違反の性質と重さ、故意か過失か、初回か繰り返しか、教育を受けていたかなどを考え、処分に段階を設ける
  • 手続をあらかじめ従業員に知らせ、違反を思いとどまらせる

公正に扱われると従業員が信頼できれば、誤りを正直に報告する文化も保たれます。 これは、事象を早く報告してもらう管理策とも結びついています。

混同しやすいものとの違い

定め方 問題点
確認してから、段階的に、事前に周知 公正で、抑止としても働く
事情を問わず一律に重い処分 不公正になり、軽い誤りを隠す動きを招く
手続を従業員に知らせない 抑止が働かず、処分が予測できない
疑いの段階で処分を決める 違反していない人を罰するおそれがある

「抑止のため」という言葉が付いた選択肢でも、公正さや事実の確認を欠いていれば誤りです。

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