問題 2★★☆

情報セキュリティ担当者が、自社の対策を JIS Q 27002 の4つのテーマ (組織的・人的・物理的・技術的)に振り分けている。人的管理策に分類される ものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア利用者のアクセス権を、申請と承認の手続で付与し、定期的に見直す。

    誤り。アクセス権は組織的管理策です。システムの設定に関わるので技術的に 見えますが、ここで問われているのは「誰に何を許すか」を決めて見直す組織の手続です。 仕組みでアクセスを制限する「情報へのアクセス制限」のほうが技術的管理策です。

  2. イ離席するときは画面をロックし、書類を机の上に残さないよう定める。

    誤り。クリアデスク・クリアスクリーンで、物理的管理策です。画面ロックは端末の 操作なので技術的に見えますが、目的はその場にいる人に机上や画面の情報を 見られないことです。職場という物理的な空間の守り方として分類されます。

  3. ウ不要になった媒体や機器の中の情報を、復元できない方法で消去する。

    誤り。情報の削除で、技術的管理策です。廃棄の運用ルールに見えるので組織的と 思われがちですが、機器や媒体に保存された情報を、もう要らなくなった時点で 確実に消す管理策として、技術的管理策に置かれています。

  4. エ社外で業務を行うときの作業場所や、持ち出す情報の扱い方を定めて守らせる。

    正解。リモートワークは人的管理策です。VPNなどの技術を連想しますが、 ここで定めているのは働く人が社外でどう振る舞うかで、人に対する取決めとして 人的管理策に分類されます。

理解を深めるために

見た目ではなく「何を相手にした管理策か」で分ける

JIS Q 27002 は管理策を、組織的・人的・物理的・技術的の4つのテーマに分けています。 分け方のこつは、その管理策が何を相手にしているかを見ることです。 組織の決まりや手続なのか、働く人への取決めなのか、建物や職場の空間なのか、 システムや機器の中の仕組みなのか。パソコンが出てくるから技術的、とは限りません。

なぜ取り違えやすいのか

今回の4つは、どれも見た目と分類がずれやすいものです。

  • アクセス権: システムの話に見えるが、付与・見直しの手続なので組織的
  • クリアデスク・クリアスクリーン: 画面ロックを含むが、守るのは職場の机上と画面なので物理的
  • 情報の削除: 廃棄のルールに見えるが、機器や媒体の中の情報を消すので技術的
  • リモートワーク: 技術を使う働き方だが、働く人の社外での振る舞いを定めるので人的

人的管理策にはほかに、採用時の選考、雇用条件、意識向上・教育・訓練、懲戒手続、 秘密保持契約、情報セキュリティ事象の報告などがあります。どれも「人」に向けた取決めです。

混同しやすいものとの違い

管理策 テーマ 相手にしているもの
リモートワーク 人的 社外で働く人の振る舞い
アクセス権 組織的 権限を決めて見直す手続
クリアデスク・クリアスクリーン 物理的 職場の机上と画面
情報の削除 技術的 機器・媒体に保存された情報

「アクセス権」と「情報へのアクセス制限」のように、名前の近い管理策が別のテーマに 置かれていることがあります。手続を決めるのか、仕組みで制限するのかで見分けてください。

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