問題 4★★☆

サーバ室の扉にICカードによる入退室管理システムを導入した。しかし、入室権限のある従業員どうしが、 前の人がカードをかざして開けた扉から続けて入る共連れが常態化し、入室の記録が実態と 合わなくなっている。この状況への対策として最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア建物内を重要度で区域に分け、区域ごとに入室できる人を決めておく。

    誤り。これはセキュリティゾーニングです。権限のない人を重要な区域に入れないための 考え方で、物理的領域の管理の土台になります。ただし、この場面で続けて入っているのは 権限のある従業員なので、区域を分けても共連れは減りません。

  2. イ入室の記録がないカードでは退室できないよう、入室と退室の記録を対で管理する。

    正解。アンチパスバックです。カードをかざさずに入ると、出るときにカードが使えません。 全員が入室のたびに自分のカードをかざさざるを得なくなり、記録が実態と合うようになります。

  3. ウカード認証をやめ、本人の静脈で照合する生体認証に切り替える。

    誤り。生体認証は、カードの貸し借りや盗用といった「本人かどうか」の問題に効きます。 認証を強くしても、扉が開いた後に認証せず続けて入る人は止められません。 本人確認の強さと、1回の認証で何人通れるかは別の問題です。

  4. エ入退室の記録を保存しておき、月に1回、管理者が内容を確認する。

    誤り。記録の確認は不審な出入りを後から見つける手段です。しかし共連れで入った人は カードをかざしていないので、そもそも記録に残りません。記録が実態と合わないことが この場面の問題であり、記録を見直しても見つけられません。

理解を深めるために

「入った記録がなければ出られない」で共連れを止める

駅の自動改札にたとえるとわかりやすいでしょう。入場の記録がない切符では、出口の改札を 通れません。アンチパスバックはこれと同じで、入室の記録がないカードでは退室できない (逆に、退室の記録がないカードでは再入室できない)ようにする仕組みです。前の人に続いて 入った人は、出るときに困ります。だから、全員が自分のカードをかざすようになります。

物理的領域の管理の組み立て

物理的管理策は、守る場所を決め、出入りを制御し、その記録を正しく残す、という順で組み立てます。

  • セキュリティゾーニング: 建物内を一般区域、執務区域、サーバ室などの重要区域に分け、 区域ごとに入れる人と入り方を決める
  • 入退管理システム: ICカードや生体認証で、区域に入れる人かどうかを確かめて扉を開け、 入退室の記録を残す
  • アンチパスバック: 入室と退室の記録を対で管理し、記録の抜け(共連れ)を許さない

1回の認証で物理的に1人しか通れないセキュリティゲートも、共連れの対策として使われます。 アンチパスバックは、記録の整合を通じて1人ずつの認証を守らせる方式です。

混同しやすいものとの違い

対策 効く問題 この場面の共連れ
アンチパスバック 入室・退室の記録の抜け 防げる
セキュリティゾーニング 権限のない人の立入り 権限のある人どうしなので効かない
生体認証 カードの貸し借り・盗用 認証せずに続けて入る人は止まらない
記録の定期確認 記録に残った不審な出入り 共連れは記録に残らない

試験では「何人通れるか」「誰が通っているか」「記録が正しいか」のどれが問題なのかを見て、対策を選びます。

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