正解:イ
各選択肢の解説
ア見つかる可能性があるので数日様子を見て、見つからなければ遠隔消去を行う。
誤り。消去をためらう気持ちは自然ですが、様子を見ている間も端末は第三者の手元に あるかもしれません。待つ必要があるのは「消去」であって「ロック」ではありません。 まずロックで時間を稼ぎ、消去は見込みが立った時点で判断します。
イ直ちにMDMで遠隔ロックをかけ、発見の見込みがなければ遠隔消去を実行する。
正解。遠隔ロックは見つかれば解除できるので、迷わずすぐにかけられます。 そのうえで、発見の見込みがなければ遠隔消去で端末内の情報を消します。 取り返しのつく操作から先に打つのが、紛失直後の定石です。
ウまず通信事業者に回線の停止を依頼し、MDMによる操作は停止の後に行う。
誤り。MDMの遠隔ロックや遠隔消去は、端末がネットワークにつながったときに 命令を受け取って実行されます。先に回線を止めると、その命令が届かなくなる おそれがあります。回線の停止は、MDMの操作を済ませてから行います。
エパスコードと暗号化で読まれないため端末は操作せず、代替機を手配する。
誤り。パスコードとストレージ暗号化は、紛失時の被害を小さくする備えですが、 パスコードをのぞき見されていれば突破されます。備えがあることと、紛失後に 何もしなくてよいことは別です。備えに加えて、ロックと消去を重ねます。
理解を深めるために
紛失直後は「取り返しのつく操作」から打つ
MDM(Mobile Device Management)は、組織が配ったスマートフォンやタブレット、ノートPCを まとめて管理する仕組みです。パスコードの強制、OSの更新状況の把握、使えるアプリの制限などを 一括で設定でき、紛失したときは管理画面から遠隔ロックや**遠隔消去(リモートワイプ)**を かけられます。
紛失の報告を受けたときに迷うのは「消してしまってよいか」です。そこで、 解除すれば元に戻せる遠隔ロックを先にかけ、見つからない見込みが立ったら消去する、 という順に分けます。ロックは迷う理由がないので、報告を受けたらすぐかけます。
なぜ順番が問題になるのか
- MDMの命令は端末に届いて初めて効く。 端末がネットワークにつながったときに 命令を受け取るので、回線の停止を先にすると命令が届かなくなるおそれがある
- 事前の備えは、紛失後の対応の代わりにならない。 パスコードとストレージ暗号化は 被害を小さくするが、パスコードを盗み見られていれば効かない
- 端末の外にも対応が残る。 端末からログインしていた業務サービスやメールは、 パスワードの変更やログイン状態の無効化を検討する。社内のインシデント報告の手順にも乗せる
混同しやすい対応との違い
| 対応 | 位置づけ |
|---|---|
| MDMによる遠隔ロック → 遠隔消去 | 紛失後すぐ。戻せる操作から順に打つ |
| 数日様子を見てから消去 | 待つべきは消去の判断だけ。ロックまで遅らせない |
| 回線の停止を先に依頼 | MDMの命令が届かなくなるおそれ。MDMの操作の後に行う |
| パスコード・ストレージ暗号化 | 紛失前の備え。紛失後の対応の代わりではない |
試験では、事前の備え(パスコード・暗号化)と紛失後の対応(ロック・消去)を 混ぜた選択肢がよく並びます。「いつ打つ手か」で分けると見分けやすくなります。