問題 6★★☆

設計部では、図面のファイルを取引先にメールに添付して送ることがある。 宛先を誤った場合や、送った後に第三者の手に渡った場合でも、図面の内容を 読まれないようにしたい。最も適切な対策はどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. アPCの内蔵ディスクをストレージ暗号化し、盗難時にディスクを読まれないようにする。

    誤り。ストレージ暗号化が守るのはディスクそのものです。PCを盗まれても中身は 読まれませんが、ファイルをメールに添付して外へ出した時点で、そのファイルは 暗号化されていない状態になります。守る範囲が「機器の中」に限られます。

  2. イ図面を管理するシステムのデータベースを暗号化し、保存されたデータを守る。

    誤り。データベース暗号化は、データベースに保存されたデータや、そのバックアップを 持ち出されたときに読まれないようにする対策です。システムから取り出して 添付したファイルには効きません。これも守る範囲は保存先の中です。

  3. ウ図面フォルダのアクセス権を、業務に必要な設計部員だけに絞って付与する。

    誤り。最小特権は、社内で誰がそのファイルを開けるかを絞る対策です。 アクセス権はファイルの置き場所で効くので、メールで社外に出たファイルには 及びません。正当な権限を持つ部員が送る場面では防げません。

  4. エ図面のファイル自体を暗号化し、復号のパスワードは電話など別の経路で伝える。

    正解。ファイル暗号化は、暗号化した状態のままファイルが持ち運ばれるので、 誤送信先や途中で手にした第三者は、鍵がなければ中身を読めません。 守る範囲が「ファイルの行き先すべて」に及ぶのが、他の3つとの違いです。

理解を深めるために

暗号化は「どこまで付いていくか」で選ぶ

暗号化には、どの単位で暗号化するかによっていくつかの種類があります。 金庫にたとえると、ストレージ暗号化やデータベース暗号化は金庫そのものに鍵をかける方式、 ファイル暗号化は書類1枚ずつに鍵をかける方式です。金庫から書類を出して郵送すれば、 金庫の鍵は書類を守ってくれません。書類に鍵がかかっていれば、どこへ行っても守られます。

なぜファイルの外へ出ると効かなくなるのか

  • ストレージ暗号化: ディスク全体を暗号化する。利用者がログインしている間は、 OSが自動で復号してファイルを渡すので、コピーや添付をすると暗号化されていない状態で外に出る
  • データベース暗号化: データベースのデータやバックアップを暗号化する。 システムを通して取り出した内容は復号された状態になる
  • 最小特権: そもそも開ける人を絞る。ただし権限を持つ人が外へ送ることは止めない
  • ファイル暗号化: ファイルそのものが暗号化されたまま移動する。鍵を持つ相手だけが開ける

なお、復号のパスワードを添付メールに続けて別のメールで送る運用では、メールが盗み見られると パスワードも一緒に知られてしまいます。電話など別の経路で伝えるのはそのためです。

混同しやすいものとの違い

対策 守る範囲 添付して社外に出したファイル
ファイル暗号化 ファイルそのもの 暗号化されたまま
ストレージ暗号化 PCのディスク全体 効かない
データベース暗号化 データベースの保存データ 効かない
最小特権 社内で開ける人 効かない

試験では「何を盗まれる場面か」が手がかりになります。機器ごと盗まれるならストレージ暗号化、 ファイルが外に出ていく場面ならファイル暗号化です。

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