問題 8★★☆

社員がブラウザに取引先の正しいURLを直接入力したのに、偽のサイトが表示された。 端末に感染の形跡はなく、社内のキャッシュDNSサーバが、そのドメイン名に対して 攻撃者のサーバのIPアドレスを返していた。この攻撃はどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア水飲み場型攻撃

    誤り。水飲み場型攻撃は、標的がよく訪れる本物のWebサイトそのものを改ざんして待ち伏せる 手口です。どちらも「いつものサイトのつもりで危険なページに行く」点が似ていますが、 この場面では本物のサイトは無傷で、別のサーバへ案内されています。

  2. イDNSキャッシュポイズニング

    正解。キャッシュDNSサーバに偽の応答を覚え込ませ、正しいドメイン名から攻撃者の サーバのIPアドレスを引かせる攻撃です。URLを正しく入力しても防げない点が特徴です。

  3. ウフィッシング

    誤り。フィッシングは、本物に似せたメールやメッセージのリンクから偽サイトへ誘い、 ID・パスワードなどを入力させる手口です。偽サイトへ誘導される点は同じですが、 この場面の社員はリンクを使わず、正しいURLを自分で入力しています。

  4. エ中間者(Man-in-the-middle)攻撃

    誤り。中間者攻撃は、通信経路の途中に割り込み、本物の相手との通信を中継しながら 盗聴や改ざんをする攻撃です。この場面では経路への割り込みは起きておらず、 接続先を決める名前解決の結果が偽物に置き換わって、偽のサーバに直接つながっています。

理解を深めるために

住所録が書き換えられた

取引先の名前を言えば住所を教えてくれる案内係がいるとします。その案内係が 偽の住所を覚え込まされていたら、名前を正しく伝えても偽の建物に案内されます。 インターネットでこの案内係にあたるのがDNSで、組織の中で問い合わせの結果を 一時的に覚えておくのがキャッシュDNSサーバです。ここに偽の応答を覚え込ませるのが DNSキャッシュポイズニングです。

なぜ正しいURLでも防げないのか

ブラウザはURLのドメイン名をDNSに問い合わせ、返ってきたIPアドレスへ接続します。

  • 利用者が確かめられるのはURLの文字列までで、どのIPアドレスに接続したかは普段見ない
  • キャッシュDNSサーバが偽のIPアドレスを覚えていると、それを使う全員が同じ偽サイトへ向かう
  • 端末側に感染がなくても起きるので、端末のウイルス対策だけでは気づけない

対策としては、問い合わせに使う送信元ポート番号を毎回ランダムにして偽の応答を 受け入れにくくすること(ソースポートランダマイゼーション)や、電子署名で応答の 正当性を検証するDNSSECが知られています。

混同しやすいものとの違い

攻撃 偽のページへ行く経路 本物のサイトは
DNSキャッシュポイズニング 正しいURLの名前解決がすり替わる 無傷
水飲み場型攻撃 いつもの本物のサイトを開く 改ざんされている
フィッシング メールなどのリンクをたどる 無傷
中間者攻撃 本物との通信の途中に割り込まれる 無傷(通信は本物にも届く)

いずれも利用者は気づかないうちに被害に遭います。どこが偽物にすり替わったか (名前解決の結果か、本物のサイトの中身か、たどったリンクか、通信の途中か)で見分けます。 なお、DNSキャッシュポイズニングで偽のサーバへ誘導したうえで、そこから本物へ中継する 中間者攻撃に発展させる手口もありえます。この場面は、偽のサイトが表示されただけなので、 起きた事象そのものはキャッシュの汚染です。

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