正解:イ
各選択肢の解説
ア水飲み場型攻撃
誤り。水飲み場型攻撃は、標的がよく訪れる本物のWebサイトそのものを改ざんして待ち伏せる 手口です。どちらも「いつものサイトのつもりで危険なページに行く」点が似ていますが、 この場面では本物のサイトは無傷で、別のサーバへ案内されています。
イDNSキャッシュポイズニング
正解。キャッシュDNSサーバに偽の応答を覚え込ませ、正しいドメイン名から攻撃者の サーバのIPアドレスを引かせる攻撃です。URLを正しく入力しても防げない点が特徴です。
ウフィッシング
誤り。フィッシングは、本物に似せたメールやメッセージのリンクから偽サイトへ誘い、 ID・パスワードなどを入力させる手口です。偽サイトへ誘導される点は同じですが、 この場面の社員はリンクを使わず、正しいURLを自分で入力しています。
エ中間者(Man-in-the-middle)攻撃
誤り。中間者攻撃は、通信経路の途中に割り込み、本物の相手との通信を中継しながら 盗聴や改ざんをする攻撃です。この場面では経路への割り込みは起きておらず、 接続先を決める名前解決の結果が偽物に置き換わって、偽のサーバに直接つながっています。
理解を深めるために
住所録が書き換えられた
取引先の名前を言えば住所を教えてくれる案内係がいるとします。その案内係が 偽の住所を覚え込まされていたら、名前を正しく伝えても偽の建物に案内されます。 インターネットでこの案内係にあたるのがDNSで、組織の中で問い合わせの結果を 一時的に覚えておくのがキャッシュDNSサーバです。ここに偽の応答を覚え込ませるのが DNSキャッシュポイズニングです。
なぜ正しいURLでも防げないのか
ブラウザはURLのドメイン名をDNSに問い合わせ、返ってきたIPアドレスへ接続します。
- 利用者が確かめられるのはURLの文字列までで、どのIPアドレスに接続したかは普段見ない
- キャッシュDNSサーバが偽のIPアドレスを覚えていると、それを使う全員が同じ偽サイトへ向かう
- 端末側に感染がなくても起きるので、端末のウイルス対策だけでは気づけない
対策としては、問い合わせに使う送信元ポート番号を毎回ランダムにして偽の応答を 受け入れにくくすること(ソースポートランダマイゼーション)や、電子署名で応答の 正当性を検証するDNSSECが知られています。
混同しやすいものとの違い
| 攻撃 | 偽のページへ行く経路 | 本物のサイトは |
|---|---|---|
| DNSキャッシュポイズニング | 正しいURLの名前解決がすり替わる | 無傷 |
| 水飲み場型攻撃 | いつもの本物のサイトを開く | 改ざんされている |
| フィッシング | メールなどのリンクをたどる | 無傷 |
| 中間者攻撃 | 本物との通信の途中に割り込まれる | 無傷(通信は本物にも届く) |
いずれも利用者は気づかないうちに被害に遭います。どこが偽物にすり替わったか (名前解決の結果か、本物のサイトの中身か、たどったリンクか、通信の途中か)で見分けます。 なお、DNSキャッシュポイズニングで偽のサーバへ誘導したうえで、そこから本物へ中継する 中間者攻撃に発展させる手口もありえます。この場面は、偽のサイトが表示されただけなので、 起きた事象そのものはキャッシュの汚染です。