問題 14★★☆

全社約2,000台のPCに、OSのセキュリティ更新を配布する。以前、更新によって一部の部門の 業務アプリが動かなくなったことがあり、検証環境では部門ごとに異なるアプリの組合せを 再現しきれない。展開の進め方として、最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア脆弱性を早くふさぐため、全台へ同時に配布して一斉に適用させる。

    誤り。早くふさぐという目的は正しいのですが、以前のように業務アプリが動かなくなると、 全社の業務が一度に止まります。検証で確かめきれない条件がある以上、 影響を限られた範囲で先に確かめる進め方が要ります。

  2. イ適用の時期は各利用者に任せ、不具合が出たらサービスデスクへ連絡させる。

    誤り。利用者任せにすると、いつまでも適用しないPCが残り、脆弱性がふさがらないままになります。 どのPCに適用済みかも把握できません。展開は、提供者が範囲と時期を管理して進めるものです。

  3. ウ検証環境で動作を確かめたら、本番ではその日のうちに全台へ一度に配布する。

    誤り。事前に検証するのはリリース及び展開管理として正しいのですが、問題文の条件では 検証環境が部門ごとのアプリの組合せを再現しきれません。検証で拾えない不具合は、 全台に配った後で一斉に表面化します。

  4. エ一部の部門で先行して適用し、問題がないことを確かめてから対象を広げる。

    正解。先行して適用した範囲で不具合が出ても、影響はその範囲にとどまり、切り戻しも容易です。 検証環境で再現しきれない条件を、本番の小さな範囲で確かめてから広げる進め方です。

理解を深めるために

新しい薬は、まず少人数で試してから広げる

新しいやり方を全員に一度に適用すると、うまくいかなかったときに全員が困ります。 まず一部で試して様子を見てから広げれば、問題が出ても影響は小さく済みます。 リリース及び展開管理で、更新を段階的に展開するのは、この考え方です。

なぜ一部の部門から始めるのか

リリース及び展開管理は、承認された変更をリリースとしてまとめ、試験したうえで 本番環境へ展開する活動です。この問題では、検証環境で確かめきれない条件があります。

  • 部門ごとに業務アプリの組合せが違い、検証環境では再現しきれない
  • 以前、更新で業務アプリが動かなくなった実績がある

この条件で全台に一度に配ると、検証で拾えなかった不具合が全社で同時に表面化します。 先行して適用する部門を決め、問題がないことを確かめてから対象を広げれば、 不具合が出てもその範囲で切り戻せます。一方で、利用者任せにすると、 いつまでも適用されないPCが残り、脆弱性がふさがりません。

混同しやすいものとの違い

進め方 問題点
一部で先行適用し、確かめてから広げる 影響を限定しつつ、全台に確実に展開できる
全台に同時配布 不具合が出ると全社の業務が一度に止まる
利用者に適用時期を任せる 未適用のPCが残り、状況も把握できない
検証後すぐ全台に配布 検証で再現できない条件の不具合が一斉に出る

試験では「事前に検証する」こと自体は正しい記述として出てきます。 問題文に検証で確かめきれない条件があるかどうかを読み、段階的な展開を選びます。

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