正解:エ
各選択肢の解説
ア官民データ活用推進基本法
誤り。国・地方公共団体・事業者が保有するデータの活用を推進するための法律で、 2016年に施行されました。同じくデジタル化の基本法ですが、扱うのはデータ活用に 絞った範囲で、IT基本法を置き換えたものでもデジタル庁を定めたものでもありません。
イサイバーセキュリティ基本法
誤り。サイバーセキュリティに関する基本理念と国の責務を定め、政府に サイバーセキュリティ戦略の策定を求める法律です。名前の形が同じ「基本法」ですが、 対象は安全の確保であり、デジタル社会全体の理念を定めるものではありません。
ウデジタル手続法
誤り。行政手続をオンラインで行うことを原則とし、デジタルファーストなどの考え方を 定めた法律です。行政のデジタル化という点で重なりますが、手続の方法を定める 個別の法律であり、社会全体の基本理念やデジタル庁の設置は扱いません。
エデジタル社会形成基本法
正解。IT基本法を廃止して2021年9月に施行されました。基本理念や国などの責務、 政府による重点計画の作成を定め、デジタル庁を置く根拠にもなっています。
理解を深めるために
デジタル政策の「憲法」にあたる法律
デジタル社会形成基本法は、日本のデジタル政策全体の方向を定める法律です。 個々の手続やデータの扱いを細かく決めるのではなく、「どんな社会を目指すか」と 「誰が何を担うか」を定め、個別の法律や計画がその下に並ぶ形になっています。
何を定めているか
2021年9月1日に施行され、同時に2000年制定のIT基本法(高度情報通信ネットワーク社会 形成基本法)が廃止されました。主な中身は次のとおりです。
- 全ての国民が情報通信技術の恵沢を享受できる社会の実現などの基本理念
- 国・地方公共団体・事業者の責務
- 政府が作成するデジタル社会の形成に関する重点計画
- 内閣にデジタル庁を置くこと(組織の詳細は別の法律であるデジタル庁設置法が定める)
「民間が主導的役割を担うことを原則とし、国と地方公共団体は環境整備を中心に行う」 という役割分担も、この法律の基本理念に含まれています。
混同しやすいものとの違い
| 法律 | 何を定めているか |
|---|---|
| デジタル社会形成基本法 | デジタル社会全体の基本理念、重点計画、デジタル庁の設置 |
| 官民データ活用推進基本法 | 官民が保有するデータの活用推進、官民データ活用推進基本計画 |
| サイバーセキュリティ基本法 | サイバーセキュリティの基本理念、サイバーセキュリティ戦略 |
| デジタル手続法 | 行政手続のオンライン化の原則 |
「IT基本法の後継」「デジタル庁」とあればデジタル社会形成基本法、 「官民データ」とあれば官民データ活用推進基本法、と対象の広さで見分けます。