正解:イ
各選択肢の解説
ア請求額の計算のように、同じ入力には必ず同じ結果が求められる処理を任せる。
誤り。金額の算定は、決められた規則をそのまま実行するプログラムの役割です。 毎回同じ結果を保証できない生成AIに任せると、同じ条件の顧客に違う金額を 示しかねません。この性質がいちばん困る使い方にあたります。
イ案内文の下書きを作らせ、社内規程と照らして担当者が最終の内容を決める。
正解。言い回しが毎回変わっても差し支えなく、内容の正しさは人が確かめて確定 させる使い方です。ばらつきが欠点にならない仕事を選び、正しさの担保は人が 受け持つ。これがこの性質と付き合う基本の形です。
ウ同じ質問を何度か繰り返し、最も多く現れた回答をそのまま正しい回答とする。
誤り。多く出てきた答えが正しいとは限りません。学習したデータに偏りがあれば、 誤った内容が繰り返し出てくることもあります。回数を重ねるのは一貫性を見る 手がかりにはなっても、正しさの裏づけにはなりません。
エ誰が尋ねても回答は同じはずだとして、得られた回答をそのまま顧客に伝える。
誤り。問題文に示された性質と逆の思い込みです。担当者ごとに違う説明を顧客に してしまい、後から食い違いが表に出ます。同じAIに同じ質問をしても答えがそろう とは限らない、という前提を出発点にする必要があります。
理解を深めるために
同じ問いでも、同じ答えが返るとは限らない
生成AIは、覚えておいた答えを取り出しているのではなく、次に来そうな語を 確率的に選びながら文章を組み立てています。しかも、表現に幅を持たせるために わざとばらつきを残す設定で動いていることが多く、同じ質問でも語順や言い回し、 ときには結論までが変わります。電卓や検索とは、ここが決定的に違います。
向く仕事と向かない仕事
| 使い方 | 向き不向き |
|---|---|
| 下書き・言い換え・案出し | 向く。ばらつきがむしろ役に立つ |
| 規程や法令の適用の判定 | 向かない。同じ条件に同じ結論が要る |
| 金額や数量の計算 | 向かない。一意に決まらなければ困る |
向かない仕事にどうしても使いたい場合は、AIの出力を下書きとして扱い、 最終的な判断は決められた規則や担当者が行う形に組み替えます。
混同しやすいものとの違い
| リスク | 何が起きるか |
|---|---|
| 出力情報の再現性・一貫性の欠如 | 同じ問いに毎回同じ答えが返らない |
| ハルシネーション | 事実でない内容を作り出す |
| 古い出力情報 | 学習した時点より後の変化が反映されない |
| 根拠・出典不明の出力情報 | 何を根拠にした答えかを確かめられない |
試験では、「回答が毎回違う」「人によって違う答えが返る」という記述が出てきたら この性質を指しています。内容が誤っているかどうかは、また別の論点です。