問題 32★★☆

生成AIには、同じ内容を尋ねても回答の表現や結論が毎回同じになるとは限らないという 性質(出力情報の再現性・一貫性の欠如)がある。この性質を踏まえた業務での使い方 として、最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア請求額の計算のように、同じ入力には必ず同じ結果が求められる処理を任せる。

    誤り。金額の算定は、決められた規則をそのまま実行するプログラムの役割です。 毎回同じ結果を保証できない生成AIに任せると、同じ条件の顧客に違う金額を 示しかねません。この性質がいちばん困る使い方にあたります。

  2. イ案内文の下書きを作らせ、社内規程と照らして担当者が最終の内容を決める。

    正解。言い回しが毎回変わっても差し支えなく、内容の正しさは人が確かめて確定 させる使い方です。ばらつきが欠点にならない仕事を選び、正しさの担保は人が 受け持つ。これがこの性質と付き合う基本の形です。

  3. ウ同じ質問を何度か繰り返し、最も多く現れた回答をそのまま正しい回答とする。

    誤り。多く出てきた答えが正しいとは限りません。学習したデータに偏りがあれば、 誤った内容が繰り返し出てくることもあります。回数を重ねるのは一貫性を見る 手がかりにはなっても、正しさの裏づけにはなりません。

  4. エ誰が尋ねても回答は同じはずだとして、得られた回答をそのまま顧客に伝える。

    誤り。問題文に示された性質と逆の思い込みです。担当者ごとに違う説明を顧客に してしまい、後から食い違いが表に出ます。同じAIに同じ質問をしても答えがそろう とは限らない、という前提を出発点にする必要があります。

理解を深めるために

同じ問いでも、同じ答えが返るとは限らない

生成AIは、覚えておいた答えを取り出しているのではなく、次に来そうな語を 確率的に選びながら文章を組み立てています。しかも、表現に幅を持たせるために わざとばらつきを残す設定で動いていることが多く、同じ質問でも語順や言い回し、 ときには結論までが変わります。電卓や検索とは、ここが決定的に違います。

向く仕事と向かない仕事

使い方 向き不向き
下書き・言い換え・案出し 向く。ばらつきがむしろ役に立つ
規程や法令の適用の判定 向かない。同じ条件に同じ結論が要る
金額や数量の計算 向かない。一意に決まらなければ困る

向かない仕事にどうしても使いたい場合は、AIの出力を下書きとして扱い、 最終的な判断は決められた規則や担当者が行う形に組み替えます。

混同しやすいものとの違い

リスク 何が起きるか
出力情報の再現性・一貫性の欠如 同じ問いに毎回同じ答えが返らない
ハルシネーション 事実でない内容を作り出す
古い出力情報 学習した時点より後の変化が反映されない
根拠・出典不明の出力情報 何を根拠にした答えかを確かめられない

試験では、「回答が毎回違う」「人によって違う答えが返る」という記述が出てきたら この性質を指しています。内容が誤っているかどうかは、また別の論点です。

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