正解:ウ
各選択肢の解説
ア「最新の情報に基づいて答えて」と指示を加え、改めて回答させる。
誤り。学習した時点より後の出来事は、そもそもモデルの中にありません。指示を 変えても知らないことは知らないままで、最新らしく見える内容を作り出す (ハルシネーション)おそれさえあります。指示で知識の時点は動かせません。
イ同じ質問を何度か入力し、毎回同じ回答になることを確かめる。
誤り。これは出力情報の再現性・一貫性を見る確認です。古い知識に基づく回答は、 何度尋ねても同じ古い答えが返ってきます。答えがそろうことと、今も正しいことは 別の話です。
ウ学習時点より後に改正がないか、所管官庁が公表する現行の情報で確かめる。
正解。問題は回答の時点が古いかもしれないことなので、確かめる先はAIの外にある 「今の」一次情報です。法令なら所管官庁の公表資料や現行の法令データで改正の 有無を確認してから使います。
エ回答の根拠となった条文を示させ、示されれば正しいとして判断する。
誤り。出典を示させるのは根拠・出典不明の出力情報への対策ですが、示された条文 そのものが改正前の内容かもしれません。出典があることは、その出典が今も有効で あることの保証にはなりません。
理解を深めるために
AIの知識は「ある日付」で止まっている
生成AIは、ある時点までに集めた大量の文章から学習しています。いわば、 特定の日付で印刷された百科事典を持ち歩いているようなものです。印刷された後に 法令が改正されても、事典の中身は書き換わりません。こうして、かつては正しかったが 今では古くなった内容を答えてしまうのが、古い出力情報のリスクです。
なぜAIの中だけでは確かめられないのか
- 学習時点より後の情報は、モデルの中に存在しない
- そのため、指示の出し方を工夫しても、繰り返し尋ねても、新しい情報は出てこない
- 回答の文面は自然で自信があるように見えるので、古いことに気づきにくい
法令、料金、制度、製品の仕様など、時間とともに変わる情報ほど注意が要ります。 確かめる先は、所管官庁や提供元が公表している現行の一次情報です。検索機能を備えた AIサービスもありますが、その場合も引いてきた情報の日付と出どころを確認します。
混同しやすいものとの違い
| リスク | 何が問題か | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 古い出力情報 | 学習時点より後の変化が反映されない | 現行の一次情報で改正・変更の有無を見る |
| ハルシネーション | 存在しない事柄を作り出す | 一次情報で事実そのものを見る |
| 出力情報の再現性・一貫性の欠如 | 同じ問いに毎回同じ答えが返らない | 人が最終の内容を確定させる |
| 根拠・出典不明の出力情報 | 何に基づく答えか分からない | 出典をたどって中身を確かめる |
試験では「学習データの時点」「その後の改正」といった記述があれば古い出力情報の 論点です。繰り返しや出典の提示は別のリスクへの手当てで、時点の古さは解消しません。