正解:ア
各選択肢の解説
ア本人が自分の個人データの消去を求められる考え方で、GDPRが消去権として定めている。
正解。目的を果たして必要がなくなった、同意を撤回した、違法に扱われたといった 事由があるときに、本人が消去を求められる権利です。EUのGDPR第17条が 「消去権(忘れられる権利)」として明文化しました。
イ検索結果からの削除が認められれば、元のWebページ自体も必ず削除される仕組みである。
誤り。検索事業者への請求が認められても、消えるのは検索結果への表示であって、 元のページはサイト側に残ったままです。見つけにくくすることと、情報そのものを 無くすことは別で、元のページの削除は掲載しているサイトに求める必要があります。
ウ本人にとって不都合な情報であれば、内容や公益性を問わず必ず消させられる権利である。
誤り。無条件の権利ではありません。定められた事由に当てはまるかを見たうえで、 表現の自由や人々の知る権利との兼ね合いで判断されます。報道や公的な記録として 残すべき情報まで、都合が悪いという理由だけで消せるわけではありません。
エ日本の個人情報保護法が「忘れられる権利」という名称で定めている請求権のことである。
誤り。日本の個人情報保護法にあるのは「利用停止・消去の請求」で、この名称の 規定はありません。目的外利用や不正取得などの違反があるとき、利用する必要が なくなったときなど、法が定めた場合に請求できるという作りになっています。
理解を深めるために
消してほしいと言える、ただし無条件ではない
インターネット上の情報は、放っておけば半永久的に残り、検索すればいつでも掘り起こされます。 そこで生まれたのが、本人が自分の個人データについて消してほしいと求められるという 考え方で、これが忘れられる権利です。EUのGDPRは第17条でこれを「消去権(忘れられる権利)」 として条文にしました。
消去を求められるのは、たとえば次のような場合です。
- 集めた目的をすでに果たし、保有する必要がなくなった
- 同意に基づいて扱っていたデータについて、本人が同意を撤回した
- そもそも違法に取り扱われていた
裏を返せば、当てはまらなければ消させられません。表現の自由や人々の知る権利を守るために 必要な場合など、消去に応じなくてよい例外も定められています。「気に入らない情報を全部 消せる権利」ではない、というのが試験で問われる勘どころです。
検索結果を消すことと、元のページを消すこと
混同しやすいのが、検索サイトへの削除請求です。認められても、消えるのは検索結果への 表示だけで、元のページは掲載サイトに残ります。見つかりにくくはなりますが、情報自体は 存在したままなので、消したいなら掲載しているサイトに別途求めることになります。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 中身 |
|---|---|
| 忘れられる権利(消去権) | GDPR第17条。定められた事由があれば本人が消去を求められる |
| 利用停止・消去の請求 | 日本の個人情報保護法の権利。法が定めた場合に請求できる |
| 検索結果の削除 | 検索事業者に表示を消させるもの。元のページは残る |
どの法のどの権利かと、何をどこまで消せるのかを分けて覚えるのが近道です。