正解:ウ
各選択肢の解説
ア利用者が自分で作成し、接続したいWebサイトごとに登録しておく証明書である。
誤り。ルート証明書は利用者が作るものではなく、信頼できる認証局が自分自身に 対して発行し、ブラウザやOSの開発元が審査のうえで組み込んでいます。自作の 証明書を起点にできてしまうと、誰でも自分を信頼させられ、検証が成立しません。
イ接続するたびにWebサーバから受け取り、その接続の間だけ使う証明書である。
誤り。接続のたびにサーバから送られてくるのはサーバ証明書などであり、ルート 証明書は手元にあらかじめ置いてあるものです。信頼の起点まで相手から受け取って いたら、偽サイトが偽の起点ごと送りつけられるため確かめる意味がなくなります。
ウ機器やブラウザにあらかじめ組み込まれ、証明書の検証の起点となる認証局の証明書である。
正解。受け取ったサーバ証明書は、それを発行した認証局の証明書をたどって 確かめます。たどり着く先が手元のルート証明書で、ここに行き着けば連鎖全体を 信頼できると判断します。だから起点だけは事前に持っておく必要があります。
エ認証局が利用者の端末に発行し、接続元の端末が正当だとサーバに示す証明書である。
誤り。これはクライアント証明書の説明です。どちらも認証局が発行する証明書 ですが、クライアント証明書は接続してくる側の身元を示すために使い、ルート 証明書は受け取った証明書を検証する側が起点として使います。役割が別です。
理解を深めるために
信頼は、どこかで「置いておく」しかない
証明書の正しさは、その証明書を発行した認証局の証明書で確かめます。ではその認証局の 証明書は何で確かめるのか。これを繰り返すときりがないので、どこかに「これは疑わない」 と決めた出発点を置きます。それがルート証明書です。
ルート証明書は認証局が自分自身に対して発行した証明書で、ブラウザやOSの開発元が その認証局の運用を審査したうえで、製品にあらかじめ組み込んでいます。手元にあるから こそ、送られてきた証明書と突き合わせる基準になります。
検証は連鎖をたどる
- ブラウザがWebサーバからサーバ証明書を受け取る
- その証明書を発行した認証局をたどる(途中に中間の認証局が入ることもある)
- たどり着いた先が、手元のルート証明書と一致するかを確かめる
- あわせて有効期限と失効の有無も確かめ、問題があれば警告を出す
起点に届かなければ「この接続は安全ではありません」と警告されます。社内だけで使う 自己署名の証明書で警告が出るのは、この連鎖がルート証明書まで届かないからです。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 位置づけ |
|---|---|
| ルート証明書 | 検証の起点。機器やブラウザに事前に組み込まれている |
| サーバ証明書 | 接続のたびにWebサーバから送られてくる、サーバの身分証 |
| クライアント証明書 | 接続してくる端末や利用者の身元をサーバに示す証明書 |
| 認証局(CA) | 証明書を発行する組織。ルート証明書はその起点の認証局のもの |
試験では「あらかじめ持っているのか、相手から受け取るのか」で切ると迷いません。 ルート証明書は、あらかじめ持っている側です。