正解:ウ
各選択肢の解説
ア記録を暗号化して保存するので、鍵を持たない者には内容が読めないから。
誤り。これは暗号化による機密性の説明です。内容を読めなくすることと、 書き換えられないことは別の性質です。ブロックチェーンは記録を参加者で 共有し互いに確かめ合う仕組みで、内容を隠すこと自体が目的ではありません。
イ信頼できる一つの管理者が台帳を保管し、変更の可否を一元的に決めるから。
誤り。これは従来型の中央集権的な管理の説明です。ブロックチェーンは特定の 管理者に頼らず、多数の参加者が同じ台帳を持つ分散型の仕組みです。 一つの管理者に頼る形では、その管理者が改ざんすれば防げません。
ウ各ブロックに直前のブロックのハッシュ値を含め、台帳を多数で共有するから。
正解。一つのブロックを書き換えるとハッシュ値が変わり、後に続くすべての ブロックとの整合が崩れます。さらに同じ台帳を多数の参加者が持つので、 全員分をそろえて書き換えることは現実的ではありません。
エ台帳を定期的にバックアップし、書き換えられても元の状態に戻せるから。
誤り。これはバックアップによる復旧の説明です。書き換えられた後に戻す 事後の対策で、書き換えそのものを難しくする仕組みではありません。 バックアップは書き換えがあったこと自体にも気づかせてくれません。
理解を深めるために
前のページの「指紋」を書き写しながら綴じる帳簿
ブロックチェーンは、取引記録をまとめた「ブロック」を鎖のようにつないだ台帳です。 各ブロックには、直前のブロックの内容から計算したハッシュ値が書き込まれています。 ハッシュ値はデータの指紋のようなもので、元のデータが1文字でも変わると別の値になります。
なぜ書き換えにくいのか
- あるブロックを書き換えると、そのブロックのハッシュ値が変わる
- 次のブロックに書かれている「前のハッシュ値」と合わなくなり、改ざんが見つかる
- つじつまを合わせるには、後に続くすべてのブロックを作り直す必要がある
- しかも台帳は多数の参加者がそれぞれ持っていて、1か所だけ直しても他と食い違う
つまり、ハッシュ値による連鎖と分散した共有の二つを組み合わせることで、 特定の管理者がいなくても改ざんが困難になっています。暗号資産の取引記録の 仕組みとして知られ、契約やサプライチェーンの記録などにも応用されています。
混同しやすいものとの違い
| 仕組み | 主に守るもの |
|---|---|
| ブロックチェーン(ハッシュ値の連鎖+分散共有) | 記録を後から書き換えられないこと(完全性) |
| 暗号化 | 内容を読まれないこと(機密性) |
| 中央の管理者による一元管理 | 管理者を信頼する前提の管理。管理者自身の改ざんは防げない |
| バックアップ | 失われた・壊れたデータを戻すこと(事後の復旧) |
試験では「なぜ改ざんが困難か」が問われます。「前のブロックのハッシュ値を含む」 と「多数で共有する」の二つがそろっている選択肢を選びましょう。