正解:イ
各選択肢の解説
ア自社専用の設備を自社で構築し、自社だけで使うプライベートクラウド
誤り。プライベートクラウドは「誰が使うか」を自社に限る形態です。国内に置けば要件は 満たしうるものの、事業者のクラウドを使いたいという前提に合いません。専用か共用かと、 どの国の法令と管理の下にあるかは別の軸です。
イ保存・運用・鍵の管理を自国の法令と管理の下に置くソブリンクラウド
正解。ソブリンクラウドは、データの所在に加えて、運用の担い手や鍵の管理まで 自国の法令と管理の下に置くことを重視したクラウドです。発注者の要件をそのまま満たします。
ウ自社の設備と事業者のクラウドを組み合わせて使うハイブリッドクラウド
誤り。ハイブリッドクラウドは、自社専用の基盤と公開型のクラウドを組み合わせる形態です。 組合せ方の話であって、事業者側の運用や鍵がどの国の管理下にあるかは決まりません。
エ複数の事業者のクラウドを用途ごとに使い分けるマルチクラウド
誤り。マルチクラウドは、特定の事業者への依存を減らすために複数社を併用する形態です。 社数を増やしても、それぞれの運用や鍵の管理が国内の法令の下にあるとは限りません。
理解を深めるために
「どの国の法令と管理の下にあるか」で選ぶクラウド
クラウドの提供形態は、多くの場合「誰と共用するか」「どう組み合わせるか」で分けられます。 ソブリンクラウドはそれとは別の軸で、データと運用がどの国の法令と管理の下にあるかを 重視したクラウドです。「ソブリン(sovereign)」は主権を意味します。
なぜ保存場所だけでは足りないのか
データセンターが国内にあっても、次の点が国外にあれば、外国の制度の影響を受けたり、 国外から操作されたりする余地が残ります。
- 運用の担い手: 障害対応や保守でシステムに触れる要員が、どの国の法令に服するか
- 暗号鍵の管理: データを復号できる鍵を、誰がどこで管理するか
- 事業者の法人: サービスを提供する法人が、どの国の法令の対象になるか
このため、行政機関や重要な情報を扱う組織では、保存場所に加えて運用や鍵の管理まで 自国の法令の下に置くことを求める場合があります。なお、何をどこまで含めるかは、 事業者や資料によって幅があります。
混同しやすいものとの違い
| 形態 | 何で分けているか |
|---|---|
| ソブリンクラウド | データと運用が自国の法令と管理の下にあるか |
| プライベートクラウド | 自社だけで使う専用の基盤か |
| ハイブリッドクラウド | 自社の基盤と公開型のクラウドを組み合わせるか |
| マルチクラウド | 複数の事業者のクラウドを併用するか |
選択肢が「専用か」「組み合わせるか」「何社か」を説明していたら、主権の軸ではありません。 要件に「運用」「鍵」「法令」が出てきたら、ソブリンクラウドを考えます。