問題 5★★★

顧客情報を保存してきたSaaSを解約することになった。オンプレミスのサーバを廃棄するときは、 自社でディスクを物理的に破壊していた。解約に当たって情報セキュリティ担当者が 確認することとして、最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア解約すれば事業者がすぐに完全に消去するので、確認は要らない。

    誤り。解約後もしばらくデータを残す事業者や、バックアップを一定期間保持する事業者があります。 いつ消えるかは事業者ごとに違うので、思い込みで済ませず契約や資料で確かめます。

  2. イ事業者のデータセンターに入り、使っていたディスクを自社で破壊する。

    誤り。オンプレミスの廃棄手順をそのまま当てはめた誤解です。SaaSでは記憶媒体を 多くの利用者で共用しており、利用者が自分のディスクを特定して破壊することはできません。 消去は事業者の手順で行われます。

  3. ウ解約後にデータとバックアップをいつまで保持し、どう消去するかを確かめる。

    正解。クラウドでは媒体を自分で処分できないので、事業者がデータとバックアップを いつまで保持し、どう消去するかを契約や公開資料で確かめます。

  4. エ全データを自社に持ち出したので、事業者側の扱いは確かめなくてよい。

    誤り。持ち出しは複製を作っただけで、事業者側のデータは残ったままです。 必要なデータの持ち出しは解約前の大切な作業ですが、それとは別に、 残ったデータがどう消去されるかを確かめます。

理解を深めるために

クラウドでは「自分で壊す」ができない

オンプレミスのサーバなら、廃棄するときにディスクを取り出して物理的に壊せば、 データが残っていないことを自分の目で確かめられます。クラウドでは、データは 事業者のデータセンターにあり、記憶媒体は多くの利用者で共用されています。 消去は事業者に任せるしかないので、任せ方を確かめることになります。

なぜ保持期間と消去方法を確かめるのか

  • 解約後の保持期間: 誤って解約した利用者のために、一定期間データを残す事業者がある
  • バックアップの保持: 本番のデータを消しても、バックアップが別の周期で残ることがある
  • 消去の方法: 削除だけか、暗号化の鍵を破棄して読めなくするのか、 媒体を廃棄するときにどう処理するのか

これらは契約や事業者の公開資料に書かれていることが多く、確認できない場合は問い合わせます。 本来は契約の前に確かめておくべき事項で、データ保持の方法として選定時の確認項目に入れておきます。

混同しやすい判断との違い

担当者の判断 適切か 理由
保持期間と消去の方法を確かめる 適切 媒体を自分で処分できないので、事業者の扱いを確かめる
解約すればすぐ消えると考える 不適切 解約後やバックアップで一定期間残ることがある
自社でディスクを破壊する 不適切 媒体は共用で、利用者は特定も破壊もできない
持ち出したので確認不要 不適切 持ち出しは複製で、事業者側には残る

オンプレミスとクラウドの違いは、費用や手軽さだけではありません。データを 「どう終わらせるか」を自分で決められない点も、違いの一つとして問われます。

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