正解:ウ
各選択肢の解説
ア失敗の原因を件数の多い順に棒で並べ、累積比率の折れ線を重ねる。
誤り。パレート図です。どの原因が全体の大半を占めるかをつかみ、重点的に 手を打つ対象を決めるための図です。原因別に合計するので日ごとの並びが消え、 どの日がいつもと違ったかは読み取れません。
イ件数をいくつかの区間に分け、各区間に入る日数を柱の高さで表す。
誤り。ヒストグラムです。件数がどのあたりに集まり、どう散らばっているかという 分布の形を見る図です。区間ごとに日数を数えるので時間の順序が失われ、 ばらつきを超えたのが何日だったかは特定できません。
ウ日ごとの件数を時間順に打点し、中心線と上下の管理限界線を引く。
正解。管理図です。普段のばらつきから求めた管理限界線を引いておくので、 線の外に出た日を「偶然とは言いにくい異常」として拾い、調査につなげられます。
エ部署と原因の欄を用意した表に、失敗が起きるたびに印を付けていく。
誤り。チェックシートです。データを漏れなく手早く集めるための記録用紙で、 集めた件数が普段の範囲に収まっているかを判定する基準線は持っていません。 管理図に打点する元データを集める段階で使う道具です。
理解を深めるために
「いつもと違う日」を線で見分ける
ログイン失敗は、パスワードの打ち間違いで毎日ある程度は起きます。件数が多少増減するのは ふつうのことで、そのたびに調べていては手が回りません。知りたいのは、普段の揺れでは 説明しにくいほど増えた日です。管理図は、この「普段の揺れ」の幅を線で示しておき、 そこからはみ出した点だけを目立たせる図です。
管理図の読み方
- 横軸に日付、縦軸に件数をとり、毎日の値を時間順に打点して線で結ぶ
- 過去のデータから平均を中心線として引き、その上下に管理限界線を引く
- 点が管理限界線の外に出たら、偶然のばらつきではない原因(パスワードリスト攻撃の 試行や、設定変更の影響など)を疑って調べる
- 線の内側でも、同じ側に点が続く、上がり続けるといった並び方は傾向の変化として扱う
QC七つ道具の多くは集めたデータを一度にまとめて眺めますが、管理図は時間の順序を残したまま 状態を監視する点が違います。セキュリティの監視でいえば、ふだんの水準を決めて、それを 超えたら警告するという考え方に近いものです。
混同しやすいものとの違い
| 図 | 何を見るか | 時間の順序 |
|---|---|---|
| 管理図 | ばらつきが普段の範囲に収まっているか | 残る |
| パレート図 | どの項目が全体の大半を占めるか | 残らない |
| ヒストグラム | 値がどのように分布しているか | 残らない |
| チェックシート | データを漏れなく集める | 記録の仕方による |
「どの日が異常か」を問われたら、時間の並びと判定の基準線の両方を持つ管理図です。 「何が多いか」ならパレート図、「どう散らばっているか」ならヒストグラムと切り分けます。