正解:イ
各選択肢の解説
ア社内の者が行う確認なので監査ではなく自己点検にあたり、情報セキュリティ監査とは呼べない。
誤り。自己点検は、対策を運用している部門が自分で確かめることです。この監査部は営業部から独立しているので、 社内の者でも監査にあたります。社内か社外かではなく、監査対象から独立しているかで区別します。
イ実施する者で分ければ内部監査、物差しと対象で分ければ情報セキュリティ監査にあたる。
正解。内部監査かどうかは「誰が行うか」、情報セキュリティ監査かどうかは「何を物差しに何を確かめるか」で決まります。 軸が違うので、1つの監査が両方に当てはまります。
ウ経済産業省の告示である基準を物差しにするので、法令の遵守を確かめるコンプライアンス監査にあたる。
誤り。コンプライアンス監査は、法令や社内規程、社会の規範が守られているかを確かめる監査です。 情報セキュリティ管理基準は守るべき法令ではなく、対策の良し悪しを測る物差しなので、これを使っても法令遵守の監査にはなりません。
エシステムの設定まで確かめているので、情報セキュリティ監査ではなく、システム監査として扱う。
誤り。システムの設定を見たかどうかで監査の種類は変わりません。システム監査の物差しはシステム管理基準で、 情報システムの利活用を確かめます。この監査は情報セキュリティ管理基準で情報セキュリティ対策を確かめています。
理解を深めるために
監査の呼び名には「誰が」と「何を」の2つの軸がある
病院の検査にたとえると、「院内の医師が行う」か「外部の検査機関が行う」かと、 「血液検査」か「心電図」かは別の話です。院内の医師が行う血液検査、という言い方が普通にできます。
監査も同じで、呼び名には2つの軸があります。
- 誰が行うか: 内部監査(組織の中の、対象から独立した部門)/外部監査(組織の外の監査人)
- 何を物差しに何を確かめるか: 情報セキュリティ監査(情報セキュリティ管理基準など)、システム監査(システム管理基準など)、 個人情報保護監査(JIS Q 15001)、コンプライアンス監査(法令・規程・規範)
この問題の監査は、社内の独立した監査部が行うので内部監査、 情報セキュリティ管理基準で情報セキュリティ対策を確かめるので情報セキュリティ監査です。
監査と自己点検の境目
社内で行うことは、監査でない理由になりません。境目は監査対象から独立しているかです。 営業部が自分たちの対策を確かめるなら自己点検、営業部から独立した監査部が確かめるなら内部監査です。 情報セキュリティの担当者が自部門の対策を自分で確かめる場合も、それは自己点検です。
混同しやすいものとの違い
| 呼び名 | 決め手 |
|---|---|
| 内部監査 | 組織の中の、対象から独立した者が行う |
| 自己点検 | 対策を運用している部門が自分で確かめる |
| 情報セキュリティ監査 | 情報セキュリティ管理基準などで情報セキュリティ対策を確かめる |
| システム監査 | システム管理基準などで情報システムの利活用を確かめる |
「誰が」の軸と「何を」の軸を分けて考えると、両方に当てはまる組合せを見落としません。